愛おしさ全開！鶴丸国永くん (ページ6)

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DEPARTURE ″旅立ち″ ページ6

息を飲んだ。

それは確かに私が顕現させた刀で。

刀帳No.XXX 鶴荳ｸ蝗ｽ永

「文字化け……？」

システムエラーとは考えにくい。

て言うか、おおかた私の霊力不足故の出来事。

こんのすけくんは息を飲み込むが、動揺してるせいなのか呼吸が定かではない。

「どうしたの？こんのすけくん」

縁側で足をブラブラさせる鶴丸国永さん。
赤い瞳が太陽に反射して紅玉(ルビー)のよう。

「い、いえ……なんでもございません。
そ、それよりも政府に登録をしなくてはいけません！」

そこからは目まぐるしい程に大変で、今までの日々が嘘だったかのようだった。

鶴丸国永さんがひとたび動くだけで私の体力は根こそぎ削られていく。
互いに生きているだけなのに、私はこうして負担を感じざるを得ない。

「つ、鶴丸国永さん……。
その、ごめんなさい！」

「……何の冗談だい？お嬢ちゃん」

「せっかく貴方を顕現させることが出来たのに、私の力不足のせいで貴方はやりたいこともままならない。」

もっと傲慢に生きて。私を見つめるその瞳が、心做しか揺らいだ。
そしてその手は空を切る。
世間的には刹那の出来事でも、私にはそうじゃなくて。数刻も時が止まったかのようにスローモーションに見えて。

「俺の今代の主は相当面白いらしい。
気に入ったぞキミ……ああ、いや、縁」

初めて認められた気がした。

私はもっと頑張るから、見捨てないでね

鶴丸さん