片想いシンドローム

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丸山さんから出てくる言葉に次々と衝撃をくらい、
もう隠す事ができないくらいの間抜け面が、
目の前の鏡に映し出されている。


「…彼女いないんですか？」

「おらへんよ？」


私があまりにも呆然としているので
丸山さんも少し驚いている。




平常心もどってこーーーーーい！！




「あ、ああすいません。」

戻ってきた。
危ない危ない。


「俺に彼女おらん事にそんな驚く？」


ケラケラ笑って、鏡越しじゃなく、首を傾げこちらを見てきた。


「はい、あの、…噂でいらっしゃるって聞いてたので」

急に見ないでーー、と思いつつ
こちらも笑ってみる。

内心ドキドキで、絶対うまく笑えてないだろうけど…

「うん、ちょっとだけね。でもすぐ別れてもうた」

「そうだったんですね」


…まさかの、お別れしていたとは…
自然と舞い上ってしまっている気持ちに、正直すぎて自分でも呆れる。



「…Aちゃんはどうなん？大倉と」

「えっ」

「付き合ってるんやろ〜？」

「いえ！付き合ってはなくて…」

「え？！そうなん？！」



ビックリした顔の丸山さんをみて、

前にも同じ様な事あったなぁ…なんて呑気に思い出していた。

あの時は酷く落ち込んだっけ。

今はそんなでもないな。

少しメンタルが強くなったのかも。




「仲ええからてっきり……あれ、前にもこんな会話したな？」

丸山さんがそう言って笑ったので私も笑い返した。



何だか、むず痒い。





「Aちゃんも今日一緒に呑み行かへん？久しぶりに！」



今日は絶対ラッキーdayなんだろうな。

新人ちゃんも誘っといて！とは言われたけど、、
久しぶりにこんなに気持ちが晴れやかだ。




丸山さんとまた呑みに行ける！


それが心底嬉しかった。




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「何でいるんですか」


「ひっど。ええやろ別に」



待ちに待った仕事終わり。
指定されたお店には、丸山さんと大倉さんがいた。

2人とも、もうビール片手にほんのり顔が赤い。

そんな2人をポケッと見ていると


「今日はお誘いありがとうございます」

新人ちゃんがひょこっと私の横から顔を出して、挨拶をし、そしてそのまま大倉さんの隣に座った。


そうなると私は丸山さんの隣に座る事になるのだけど、、

緊張して心臓がまたキュッとなる。


なるだけ自然に、隣に座る。


向かい側の大倉さんの視線がいたい…

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