片想いシンドローム

30 大倉side ページ30

シャワーを浴びたあと、冷蔵庫のビールをとり一気に飲み込む。

いまからここにAがくると思うと
落ち着かない…

喉に流れるビールの泡がいつもよりバチバチと刺激が強い




部屋に女性が来る、なんて初めてではないし
妙な高揚感と鼓動の速さに、自分でも驚いていて。

俺、思春期にでも戻ったんかな。





ピンポーン

二つめの缶を開けたと同時に、呼びベルが鳴る。

一口クッと呑み込んで、早足に扉へとむかった。



一回、深呼吸しよ。
って、ほんま自分なんなん(笑)
緊張しすぎやろ、、




よし、と意を決して

扉を開けると

当たり前やけどAが立っていて。


その姿をみて、また顔が緩む。

大きめのスウェットにハーフパンツ姿。
格好どストライクやし、てかすっぴんやん、、
わざとなんか…可愛いすぎる
俺いま顔ふにゃふにゃやろうな…



「どおぞ」

「おじゃまします」


Aが入ってきて、扉が閉まったのを確認してから


我慢していた気持ちがとけて、咄嗟に手を握る。

触りたい衝動を抑えきれない、、


でもすぐ振りほどかれそうやから、そのまま手を引いて中に進んでいった


「大倉さん、手っ」


ビックリした声に振り向くと、顔を赤くして目を丸くしてるA


俺に顔赤くしてんの？ってまた調子にのる



部屋までくると、周りをキョロキョロ見渡して緊張してんのが丸分かり



「A」


名前を呼ぶとまだ真っ赤な顔して俺をみてくるから、そのまま引き寄せて抱きしめた。

待てと言われたけど待てるわけがない。


はぁ〜、、癒されるう
Aから香るいい匂いに、頭んなか溶けそう。。



てか癖なんか、抱きしめるとお腹んあたりの服をぎゅって握ってくる

そんな事も愛しくてたまらん




「ん〜、A〜」

まさかの。
10秒間だけ本人直々に許しをもらったので
思う存分に抱きしめる。

めちゃくちゃ喜んでんのAにバレてるよな。
ま、ええか今更やし。

Aの前だと、どうも歯止めが効かない。
思うがままに接してしまう。



でもそれって、ほんまはあかん事やんな
現にAは嫌がってる訳やし。
嫌がってる姿も、めちゃくちゃええねんけど、、
って、いやいやいや、それじゃあかんよな…



こんな時に謎のネガティブゾーンに入ってしまい
勝手に1人で落ち込んで、もう離れ様と力を弱めると





ぎゅっ







背中に回されたAの手

そこに力が加わる



「…え？」

思わず出た声。

嘘…俺いま抱きしめられてる？？？

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