片想いシンドローム

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一瞬だけチラッとこちらに目線を向けて、でもすぐにまた手元のスマホへ向けられた。

後はずっとスマホを見てる大倉さん。


明らかに機嫌悪い…
うぅ、怖いよ。。



でもなんで大倉さんがここにいるんだろ？

色々疑問に思いながら取り敢えずメイク道具の準備を始めた。

道具を出していると、動揺しているのか手が滑ってしまい、バラバラと床に落ちてしまった。



「ガチャガチャうるさいな」

「すいませんっ」

ひぃぃっ、、怖すぎる！
こんなんじゃ仕事にならない。



意を決して顔をあげ


「…大倉さん、」


名前を呼ぶと、


「んー」

返事はするけど変わらずスマホを触っていて、こちらを見ようともしない。


でも、謝らなきゃ



「こないだは、申し訳ございませんでした」



深々と頭を下げた。




でも大倉さんからの返答はなく…
恐る恐る顔を上げると


「わぁっ！！」

目の前に大倉さんがいて、驚いて大きな声が出てしまった。


顔をみると、
前にもみた意地悪い笑みを浮かべていて、



「びっくりしたぁ…」


「ふふ(笑)」


驚いたけどニヤニヤとふざけてる大倉さんに心底ほっとした。

よかった…もうさっきの怖い雰囲気じゃない。


「焦ったやろ？」

「…はい」

「ちょっと泣きそうやん(笑)」

「だって、色々と脅かすから…大倉さん怖すぎます」



安心してか本当に涙が込み上げてくる。



「ホンマに泣くなて〜めんどくさいな〜(笑)」

そう言いながらも頭を撫でてくれてる

「すいません」

「俺もごめん。やり過ぎたな」


近づいて背中をさすってくれてるんだけど、ぐっと近づいた顔に少しドキッとした


「…心配しなくても、ちゅーはしません」

「っ！！当たり前です！」

逃げる様に離れたら、大口開けて笑われた。


そこでハッとして、また改めてこないだの事を謝った。


「こないだは、本当にすいませんでした」

「ええよ。ちょっと傷ついたけど」

「すいません…」

「うそうそ(笑)ちゃんと埋め合わせしてもらうし、もうええから」

「埋め合わせ？」

「せんの？」

「します…」

「じゃあ今日な。夜泊まりやろ？」

「そうですけど…」

「明日もオフやんな」

「なんで知ってるんですか」

「宮城さんに聞いた」



宮城さんって、先輩に？！
先輩ぜったいまた勘違いしてるよ…


「今日、お前呼んだんも俺やし」

「え？！」

「ご指名♡」


ニコッて可愛く笑われて、何も反論できない
まあ仕事だから反論もなにも無いんだけど。

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