野球部の恋愛事情

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康晃side



　ハマの守護神山崎 康晃でーす。



　早速行きましょー!



　









　ｶﾞﾗｯと部室のドアが開いた。



　入って来た人の顔を確かめる。



　健大…。



　これは誰でも分かると思う。



　栗本さんは健大にとっての敵。



　いや、ラスボスと言った方がいいだろうか。



　ずっと俯き続ける健大の姿を見ることしかできない俺。



　俺はどうすれば…。



　健大…。俺、お前を助けたい。



　ﾌｯと息をする音が聞こえる。


　
　「い…今井Aって言います。よろしくお願いしますっ…」



　やりすぎなんじゃないかと思われるくらい、深く深くお辞儀をするA。



友紀「Aね。私、栗本 友紀。健大と康晃と同じ2年だよ。よろしく」



　いつから俺のこと "康晃"って呼ぶようになったんだ…。



　「よろしくお願いします」



　もう一度お辞儀とすればAに ｷﾞｭｯと抱き着く。



　友紀「…健大に近づいたらどうなるか分かってるでしょ…?健大に近づかないでね…」



　Aの耳元でそうつぶやいているように見えた。



　どうしていいか分からず固まっているAは



　明らかに戸惑っているようだった。



#14「離してあげろよ」



　健大が聞こえるか聞こえないくらいかの声で言う。



　栗本さんの目つきが変わる。



　何を企んでいるのだろう。

　

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