第36話 ページ41
あのあと一虎は元に戻り今は私を家まで送ってくれている最中である
さっきまで抱きしめられていた感触はいまだ残っており頬が熱い
一虎「あそこだっけ」
A「・・うん」
一虎「んだよ、今度はお前が元気ねーな」
あと数十歩、歩けば私の家
今日は本当に楽しかった
・・・もっと一緒にいたい、離れたくない
先程、一虎に抱きしめられたからなのか
今日がもう終わるんだなという実感が湧いてしまった
そう考えていると私の空いた右手に違和感を感じた
視線を右手に向けると一虎が私の手を握ってくれていた
もう家はすぐそこなのに
彼も私と離れるのが寂しいと思ってくれてるんだろうか
一虎「おら、着いたぞ」
家に着いてしまった
でもお互い繋いだ手は離さない
沈黙が続く
一虎「・・・じゃあ」
先に沈黙を破った一虎はあっさりと私の手を離した
A「っ・・」
後ろを振り向こうとした彼の裾を掴む
A「・・・もっと・・いたい・・・」
やっと言いたいことが言えた
一虎は私に背を向けたままで表情が見えない
段々と裾を掴む手が震えてきた
A「帰ってほしく、ない」
私はさらに勇気を出す
これが一体何を示しているのか、彼には分かるだろう
A「かずと・・」
瞬間、一虎は振り返り強く私を引っ張る
彼の顔がこれでもかというくらい近くにある
私でもわかる
キスされる
そう思った
目をぎゅっとつぶる
でも唇の感触は思ってたところには来なくて
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ほんとギリギリ
一虎が口づけたのは私の唇の真横だった
A「え・・・？」
一虎「ばーか」
唇を少し離して一虎はそう言った
彼の息が頬にあたり、くすぐったい
一虎「これだけで真っ赤になってるやつが誘ってんじゃねーよ」
彼の言う通り口づけられたところからじわりと熱さが広がる
A「なんで口にしなかったの・・？」
一虎「んだよ、してほしかったのか？」
A「・・・」
してほしい、そう目で訴えた
一虎は目を見開いた
きっと伝わったんだろう
一虎「次は会う時は口にしてやる」
一虎は親指で私の下唇をなぞる
一虎「ファーストキス、とっとけよ
予約したかんな」
私は自然と頷いていた
彼の顔が遠ざかる
A「またね、一虎
またデートしようね」
一虎「おう
じゃあな、A」
一虎は今度こそ振り返り歩き出した
私は彼が完全に見えなくなるまでそれを眺めていた
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レナ(プロフ) - ロキロカさん» ロキロカ様！ありがとうございます！楽しみにして頂けると嬉しいです！ (2021年8月26日 14時) (
レス) id: fa520e0763 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - すたーさん» すたー様！コメントありがとうございます！更新は波がありますが気長にお待ち頂けると幸いです！ (2021年8月26日 14時) (レス) id: fa520e0763 (このIDを非表示/違反報告)
ロキロカ - レナさん» では楽しみに待っています！ (2021年8月25日 21時) (レス) id: b7f1a55b66 (このIDを非表示/違反報告)
すたー(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！更新楽しみにしてます！ (2021年8月24日 23時) (レス) id: f613f7667d (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - ロキロカさん» ロキロカ様！コメントありがとうございます！申し訳ないのですが作品の内容に関する質問・要望には一切お応えできません汗（一度答えるとキリがないので）ご了承ください。ただ一つだけ言うと最終的な結末は決めているので気長にお待ち頂けますと幸いです。 (2021年8月24日 13時) (レス) id: fa520e0763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レナ | 作成日時：2021年7月19日 22時
