検索窓
今日:30 hit、昨日:22 hit、合計:147,440 hit

第七十七話 ページ43

事務所のソファに横になり、目に濡れたタオルを被せる。

そうすると少し、頭痛が引いていく気がした。



「…はいお水。今日蘭姉ちゃんもおじさんもいないからゆっくりしてって」


「……すまない」



起き上がって差し出された水を受け取り喉に流し込む



「ぐっごほっ」



飲み方が下手で、器官に水が入ってしまい咳き込む。

コナンくんは背中をさすって、私の呼吸が落ち着くのを待ってくれた。



「…迷惑をかけたね。ありがとう」



止まらない頭痛、喉の痛み、吐き気

それ等が私を攻撃して来てなんとも言えない倦怠感がまとわりつく。



「Aさん、聞きたいことがあるんだ」


「…なんだい」


「あなたは、僕に何か隠しているよね?」



眼鏡の奥のコナンくんの瞳は力強く少し怖気ずく

嫌な汗をかいてしまう。



「…別に」


「Aさんの行動は、どうやってもただの記憶喪失には見えないんだ」



喉がヒュ、と小さく鳴る。



「それに、あなたは家もない、仕事もない。安室さんと一緒に暮らしている。違う?」



そこまで、知っているのか。

喉まで出かかっていた言葉が、口からすんなり出てきた。



「君は一体、何者なんだい」


「……江戸川コナン。ただの小学生だよ」


「…そっか」



流石だなあ、名探偵は。



「一つだけ、コナンくんに教えてあげる」


「……」



そう言うと、コナンくんはその言葉を聞き漏らさまいと顔を強ばらせる。



「私と君は違う」



当たり前で、当たり前ではない

そんな曖昧な返答に、彼は顔を顰めた。

第七十八話→←第七十六話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (227 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
642人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

yu-kun(プロフ) - まだ見ていただいてる方へ。アカウント変えて続き書いてます。よろしくればプロフからどうぞ。 (2023年4月5日 4時) (レス) id: 7bcd0f2da7 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - 「続き」じゃなくて「終わり」になってるから続くのか心配です....見たいです。作成さんも都合があると思うのでそこは首を長くして待っておきます!更新をが楽しみです (2022年6月24日 11時) (レス) @page46 id: c0ec2f5f77 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 続きがとても気になります!更新楽しみに待ってます! (2021年5月2日 18時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 感情がリアルで凄くドキドキします!続き楽しみです! (2020年6月17日 9時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
名無し - わー!続きが気になります!更新楽しみにしてます(^^) (2020年3月18日 5時) (レス) id: 1e13ba2df3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/  
作成日時:2019年10月6日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。