(物理的に)小さかった降谷さんがいる世界へと行きました。【名探偵コナン】II

第五十五話 ページ12

ゆっくりと咀嚼する私を見て透は不思議に思ったようで、「A…？」と首を傾げ言った。



「……美味し」



思わず笑みが溢れた。

口元についたソースを親指で拭いそのまま口に持っていき舐めた。

すると、透はいきなり肩を掴んで来て自分の顔を抑えた。



「！？どうした…！？」


「……あまり、外でそーゆー事しないでください…」



そ、そーゆー事…？



「…舐めてしまったことか？失礼、行儀が悪かったな」


「いやそういう事じゃ…ああもういいです…」



何故か透にため息をつかれた。



「…あ。もう上がりの時間ですね。梓さん、お先に失礼します」


「はーい」


「A。車を表に持ってくるので待っていてください」


「うん…」



28にもなってマナーがなっていなかったな…それで透は呆れたのか、気をつけなくては。

反省して縮こまっていたら、聞き覚えのある声が私の名前を呼んだ。



「古谷さん！すみません、これ渡すの忘れてて…」


「蘭さん。これは…電話番号？」


「はい！私の携帯の番号です！」


「でも…いいんですか？私個人に電話番号を渡して…」



蘭さんは「いいんですよ」と笑った。



「古谷さんの記憶を取り戻すお手伝いをさせてほしいと言ったのは私です！最後までお手伝いします！」


「蘭さん…ありがとうございます」


「いえいえ！何かあったら電話してください！一緒に頑張りましょう！それでは！」



蘭さんはそのままポアロから出た行った。



「A、車持ってきましたよ。帰りましょう」



そしてその入れ違いに透が入ってきたから



「うん」



と言って、私はお店を出た。

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