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第五十四話 ページ11

「おや、お勉強会かな?」



透はトレーにハムサンドと珈琲を乗せてこちらに来た。



「うん、そんなところ」



ハムサンドと珈琲を受け取り、コップの取っ手を掴み口元に運ぶ。



「他にわからないところはあるか?」



そう云い珈琲を啜りコースターの上に置いた。



「……あ、の…」


「ん?」


「…っごめんなさい!」



女子高生達は頭を下げてきた。



「私達、貴女に酷いことを言ってしまいました。こんなに良くしてくれたのにっ…本当にごめんなさい!!」



透は私を見て口パクで何があったの?と聞いてきたので少しねと返した。



「君たち、顔をあげなさい」



女子高生達は恐る恐るといった感じで顔を上げた。



「すごいね、君たちは。自分がした事に対して悪い事だって気づける人間は少ないんだよ。《これくらい皆してる》とか《遊びのつもりだった》って言い訳する人間が多いだろう?それなのに、ちゃんと自分の非を認め謝る事ができた」



代表で謝ってくれた女子高生の頭に手を置く。



「その気持ち、忘れちゃダメだよ。そうすれば、君たちは将来美人さんになるね」


「っ…」



頭から手をのけ、私はまた珈琲を啜った。



「ああ、邪魔したね。勉強頑張って」



珈琲とハムサンドを持ち元いたカウンター席に座り直した。



「古谷さんかっこよかったですっ…!」


「え、榎本さん?」


「かっこいいと言うより色っぽい?大人の色気がもう溢れててっ」


「ちょっ、落ち着いてくださいっ…」



榎本さんはハッとしたような表情を見せ、顔を真っ赤にして「すみません…」と云い下を向いた。



「榎本さん、顔を上げてください…あの、恥ずかしかっただけ、なので…」


「古谷さん…!可愛いっ…!あの、Aさんとお呼びしてもよろしいですか!?」


「えっ!?あっ、はい…どうぞ…」


「Aって天然タラシですよね」


「何故その話になる!?」



榎本さんも透もわけのわからないことを言うのでひとまずハムサンドにかぶりついた。

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yu-kun(プロフ) - まだ見ていただいてる方へ。アカウント変えて続き書いてます。よろしくればプロフからどうぞ。 (2023年4月5日 4時) (レス) id: 7bcd0f2da7 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - 「続き」じゃなくて「終わり」になってるから続くのか心配です....見たいです。作成さんも都合があると思うのでそこは首を長くして待っておきます!更新をが楽しみです (2022年6月24日 11時) (レス) @page46 id: c0ec2f5f77 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 続きがとても気になります!更新楽しみに待ってます! (2021年5月2日 18時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 感情がリアルで凄くドキドキします!続き楽しみです! (2020年6月17日 9時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
名無し - わー!続きが気になります!更新楽しみにしてます(^^) (2020年3月18日 5時) (レス) id: 1e13ba2df3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/  
作成日時:2019年10月6日 16時

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