また、めぐり逢う。

思いと想い　貴方side ページ7

『ふっ…うぅ…。』


何でそんなこと言うの?
私は玲於を捨てたんだよ?



『もうどこにも行くな…。葵…。』



さっきの玲於の声と顔がプレイバックしてきてこらえきれなくて‥


ついに弱い私は、嗚咽を漏らした。


『な‥んで…うぅ……んぐ‥ぐす…。』



あの時。玲於に告白された3月7日。


この日はいつも通って来た二人の知ってる、この見慣れた景色がいつもと何処か違う気がしたの。


玲於「何だろ。見慣れた景色なのに、特別に違うように見える。」

『私も!全く同じこと思ってた!』

「『ふふっ』」


二人して同じこと考えてて。


以心伝心ってやつかな?(笑)


玲於「なぁ。俺、葵のこと本当に好き。大切にする。」

『私も、玲於のこと好きだよ。あーあと、好きな人いないって言ったけどあれ、嘘だし(笑)』



そしたら玲於が黙り混んじゃって。

その時の表情がとても愛おしくて、
あぁ、好きだなって想った。


玲於「えっ。俺騙されてたの?ひど、玲於くん泣いちゃう…。」

『あぁ、ゴメンって(笑)』



玲於「んっ。手繋いでくれたら許してあげる。」


サッと出された玲於の手。
玲於と初めて会ったときもこうやって手を出してくれたっけ。


玲於「はーやーくー。」



ぎゅっ。


…………………………。


玲於「何か喋れよ‥。」

♪♪♪〜……


『5時だ‥。帰り始めなきゃ‥ね。』

玲於「ん。」




ﾎﾟﾀｯ、ﾎﾟﾀｯ。


『あの時…。いつも見てた街の灯り‥とても優しく見えて、私と玲於の事、祝福されてる様に思えたんだよね…。』



あの日の街の灯り。


玲於にはどんな風に見えてたんだろう。

貴方side→←過去の玲於side★ミニ番外

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す