俺のクソ兄貴【黄金の風】【男主】

ろく ページ8

あと兄貴はなんで殺気放ってんだよ!?

待ってもう殺る気アリってこと？いやーやめてー！！

…まあ、茶番は置いといて…


｢いいですか？ここはこうして…｣

俺はコクコク頷きながらペンをノートに走らせた

『あっ…フーゴさん、ここってどうやるんですか？』

｢そこはそうして……｣

フーゴさんの説明は分かりやすくて助かるなぁ…

｢A、よく分かるなぁ。｣

｢お前の理解力が足りないだけだ、バカ｣

そう言ってフーゴさんは兄貴をキッと睨んだ

二人の間で火花が散って、少し怖かったけど俺は問題を解くことに集中した

｢どうして兄弟でここまで差があるのか…｣

俺の様子を見て、フーゴさんがまた溜息をついた

『フーゴさん、合ってますか？』

｢ああ、ちょっと待って下さいね…。ここだけ違いますけど、あとは全部合ってますよ。｣

あ、ここ違ったんだ…直さなくちゃあな。

｢…勉強熱心だな｣

『？えーと…アリガトウゴザイマス？』

後ろからアバッキオさんがそう言った

｢見てみろ、またナランチャに穴が空いてる｣

『え？』

アバッキオさんに言われ、フーゴさんと兄貴の方を向いた

｢このド低脳がァーーーッ！！！｣

｢うあああーーッ！！｣

『!?えっ…え？アバッキオさん、フーゴさんってあんな感じでしたっけ…!?』

｢いや、あれはキレてる時のフーゴだ。｣

慣れているのか、冷静に俺に教えた

あ、あんまりフーゴさんを怒らせない方がいいかもしれない…

その日は採点だけして貰った。



｢うぅ、痛ぇ〜！｣

『逆にどうやって刺されるくらい怒らせたんだよ…聞きたくねぇけど。』

｢違ぇよ！フーゴが怒りっぽいだけだっつーの！｣

じゃあ怒らせなきゃあいいだろ。と言いたかったが、人は予想外のタイミングで怒るものだ

言う言葉が見当たらず、俺は溜息をついた

｢あ、A。｣

『ん？なん、だっ…』

急に兄貴が俺の顔を掴んだかと思えば、額にキスをした。

『!?!?な、なんだよ急にっ！！』

俺は真っ赤になって抗議した

｢Aは俺のものっつー印。｣

『はぁ？印って…遂に頭おかしくなったか？』

｢…え、お前自覚ねーの!?｣

『何言ってんだ兄貴…』

なんだか今日は兄貴がおかしいぞ…？

ていうか自覚ってなんだ？なんの自覚だ？

｢ま、マジか…あ"〜…よし、寝るぞA。｣

『？おう。』

結局俺は困惑したまま眠りについた

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