俺のクソ兄貴【黄金の風】【男主】

ご ページ7

ポロポロと熱い何かが頬を伝った

あ、俺…泣いてるのか。

トドメをさした時のあの感覚が、血が溢れ出るあの音が頭に響く

｢よくやった。｣

ブチャラティさんが俺の頭を撫でた

俺は上着の裾で涙を拭った

嗚咽が口から漏れてきた

体が震えているのがわかる

｢…帰ろう｣

『は、いっ』

俺はブチャラティさんの後ろを歩き始めた



｢あ！ブチャラティ、A、おかえ……えっ!?ちょ、A!?どうしたんだ!?｣

アジトに帰ってきて早々、俺が泣いているのを見て兄貴が駆けつけてきた

『ひぐっ…うるせ、えっ…！』

｢おーおー、どうしたー？怖くなっちまったか〜？｣

ミスタさんが乱暴に頭を撫でてきた

実際その通りだ。自分が人を殺めたという事実が、この上なく恐ろしく感じる。

｢はいそうです｣と認めるのがなんだか恥ずかしくて、俺は無言で俯いた

『…っ、ふ…ぅ…』

｢…ま、さっきの初任務だったんだろ？初っ端から暗殺だったらそうもなるって。｣

俺の背中をトントンと優しく叩き、ミスタさんは手を引いて中まで案内してくれた

兄貴は終始不安気な顔をしていた


｢ああ、おかえりなさい。大丈夫ですか？｣

中に入るとフーゴさんがいた。

フーゴさんは俺が泣いているのに一瞬驚いたものの、すぐにいつもの落ち着いた顔に戻って俺に聞いた

『…大丈夫、です。』

俺を心配してくれるその声が心地よくて、俺も少し落ち着けた

｢なら良かった。｣

フーゴさんはそう言って俺を椅子に座らせた

｢A…｣

兄貴は俺の背中を撫でた

…情けないなぁ、これじゃあまるで乳児だ。

やっと涙が止まって、今度は少し恥ずかしく思っていると…

｢あ、そうだ。ナランチャ、勉強サボるなよ。｣

…勉強？ﾄﾞﾕｺﾄ?

｢げっ、バレた！う〜、わかったよぉ…やるよお…｣

分かりやすく兄貴がしょげると、フーゴさんが溜息をついた

勉強か…

『あの、フーゴさん…』

俺はフーゴさんの服の袖を少し引いた

『その…俺にも、勉強教えてもらえませんか…？』

｢｢えっ｣」

俺がそう言うと、何故か兄貴まで驚いた

『いや、なんで兄貴まで驚いてんだよ……。…だめ、ですか？』

再びフーゴさんに視線を向けて言うと、フーゴさんは何故か顔を赤らめた

｢…いいですよ。｣

あれ、目逸らされちゃった…

まさか俺、既に嫌われちまってる!?

ヤバい！！これ更に嫌われたら海に投げ捨てられるんじゃあないか!?

ろく→←よn…ﾅﾝﾃﾞﾓﾅｲﾃﾞｽ

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