ノスタルジア 3 (ページ39)

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答え合わせ④ ページ39

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翔太がくれた、駅前にある美味しいと評判の洋菓子店の紙袋の中からは小ぶりな白い箱が1つ

箔押しされた店名の入った包み紙を丁寧に広げれば、出てきたのは女性受け間違いない真っ白な箱の中央が、クリアフィルムになって中身が見えるようになっていた

dt「焼き菓子だ‥‥」

クリアフィルムから覗くのはマドレーヌやフィナンシェ、ガレットといった定番の焼き菓子の詰め合わせだった

食に関して詳しいわけじゃないはずなのに、こうして美味しいと評判の店を選んでわざわざ買ってくるあたり、翔太らしくて擽ったくなる

だって、あいつネットやクチコミを駆使して探し出したんだと思うから

そういう経緯があった流れで、俺の店にわざわざやって来たとか、ヤバいな‥‥

嬉しすぎて顔が緩んでしまうのを必死で堪えた

先日、翔太が自分の想いを打ち明けてくれた

もう過ぎた事だし、正直その話題には触れて欲しくなかったけど、翔太からは俺が想像していたものとは全然違う言葉が返ってきた

『俺は今も涼太が好きだよ』

驚いたし、聞き間違いかと思ったぐらい

だけど翔太は、真剣な顔で俺を真っ直ぐに見つめてた

だからたぶん、いや絶対に本心からの言葉だと思ったから

俺は返事を濁してしまった

嬉しいと思う反面、今更という思いもあった

なんでもっと早く本当の事を、言ってくれなかったんだろうとも思った

10年前の話だから過ぎた事と言えばそうなんだけど

俺にとってはそんな風に切り替えられる程、簡単な年月じゃなかった

だから翔太の告白に、素直に頷く事が出来なかった

それなのに‥‥

どうして翔太は俺に会いに来たんだよ‥‥

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