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オレに出来ることを。 2 【百side】 ページ29

「探し方はあるよ。タレントを見ればいいんだ。その人が自由に活動できているか、事務所から大切にされているかって仕事で会った時に見るんだよ。…事務所探しはオレに任せてくれない?」

コミュニケーションは人並み以上に出来る。

まだ少ないけど、作ってきたコネと信頼で情報を聞き出すことだって出来る。
ユキには多分無理だから。
オレの得意なことは最大限使っていかないと

「…分かった。モモに任せるよ。」

ジッとオレを見つめた後、表情を緩めて頷いたユキに少しホッとした。

…これはユキの為でもあるから。

「よし!あとはAと話をしよう。Aがどうしたいかをちゃんと話そう。」

オレたちの考えはまとまった。

あとはA次第だ。

…そういえば、Aが何をしたいかなんて一度も聞いたことが無かったな。

最近は仕事と接待でゆっくりAと話す時間も無いし、良い機会かもしれない。
大事なことだ。
きちんと時間を取って話そう。

もともと社長にAの学力のことを聞きに来ただけだったけど、オレたちの中での結論まで決まってしまった。

時計を見るともういい時間だ。

早く帰らないとAが心配してしまう。
それでなくてもオレは飲み会とかで帰りが遅くなることが多いから心配をかけてしまっているのに。

話を切り上げて、事務所の人たちに簡単に挨拶をしてユキと一緒に玄関を出る。

おかりんはオレたちが帰り支度をしている間に先に車に向かって待ってくれている。

地下駐車場へ向かう通路は途中の電気が切れていて、薄暗い中を足早に抜けた。
早めに直してもらえるように社長に言っとかないとな。

おかりんはすでにエンジンをかけて待っている。
オレもユキも車の運転免許をまだ持っていないから、送り迎えも仕事の移動もおかりんに頼りっぱなしだ。

これからもっと忙しくなるだろうし、早めに免許を取っておいた方がいいかも。

車が買えるかどうかは別として…。

乗せてもらって駐車場を出て気付く。

「…雨だ。」

先ほどまで降っていなかったのに静かに雨が降っている。
窓ガラスはすぐに水滴でいっぱいになって外の景色を滲ませる。

「あ、あっちの方今光った。…これは酷くなるかもね。」

「…うん、早く帰ろう。」

…雨の日は、少し嫌いだ。





―――――
「ただいま!ごめんA、遅くなった!」

玄関のドアを開け放って飛び込むように家に帰ると、入ってすぐあるキッチンにAがエプロンをして立っていた。

願望に似た… 【百side】→←オレに出来ることを。 【百side】



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作品ジャンル:アニメ
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欅夏希 - とっても面白いです!感情の変化や状況などが分かりやすく、読みやすいなぁと個人的には思っています!お話を作るのは簡単ではないかもしれませんが、続きを読めるのを楽しみに待たせて頂きます。無理なさらず、頑張って下さい。 (2020年3月27日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
柚木夏紗 - 面白いっ!!!!更新待ってます!!! (2020年3月18日 7時) (レス) id: 73f9f96d98 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして いつも更新を楽しみにしています。 これからも頑張ってください^_^ (2020年3月14日 12時) (レス) id: d507af1541 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テル | 作成日時:2020年3月3日 13時

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