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これからのこと 【千side】 ページ25

今日はもう仕事もないし、だいぶ早く帰れそうだから作曲も進めれそうだ。

次のライブで出す予定の新曲。
まだ作る時間はたっぷりある。

…最近は仕事が忙しくなってきて、以前より頻繁にライブをすることができていない。

【…歌いたいな。】

そう思うと同時に、脳裏にはAが浮かぶ。

【…歌ってほしい。】

聴きたい、Aの歌を。

どんな曲なんだろう。
どんな想いがこもった歌になるんだろうか。

できれば一番に聴きたい。

いつか、一緒に曲を作って、一緒にステージで歌って……

"『……まだ作りたくない。』"

…まだって、いつまで続くのかな。

「…はぁ、」

無意識に溜め息が零れた。

「ぁ、ごめんユキ。うるさくしちゃった。疲れてるもんね、寝てていいよ!モモちゃん静かになります!!」

「…え、いいよ?今は眠くないし。」

眉を下げ、少し早口で謝るモモを不思議に思いながら返事をする。

「…そっか、分かった!無理はしないでね!」

そう言って笑うモモだったけど、先程よりも喋らなくなる。

「…………ねぇ、モモ。」

「うん?何?」

なんとなくモモの声を聞いていたくて、呼びかける。
目が合ってから何を話そうか考えた。

仕事の話?
 …それはさっきした。

新曲の話?
 …話すほど出来てないしな。

Aの話?
 ………ある。

少し前に家でAと話したことだ。

モモに相談してみようと思っていたのに、なかなか時間が取れずそのままになっていたから丁度いいかもしれない。
本当は家でAもいたほうがいい話かもしれないけど、先にモモに聞いておくべきかもしれないと思って口を開く。

「モモは、…Aのこれからのこと、どう考えてるの?」

少しだけ目が見開かれた後、真剣な表情になる。

「…オレは、」

言葉を考えるように一度口を閉じた後、真っ直ぐに僕の目を見るモモ。

「…Aには、普通の女の子と同じように生活していってほしいと思ってる。学校だったり、友達だったり…。
今まで出来なかったことを好きなようにしてほしい、かな。」

"普通の"女の子として、か。

…じゃあ、きっとモモは僕の言うことに反対するだろう。

「ユキは?」

「僕は…。」

Aの、これからのこと。

僕の願いはAのためにならないことかもしれない。
でも…

「…僕は、Aに歌ってほしい、と、思ってる。」

Aの歌を聴きたいと思うのは、僕のわがままだ。

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作品ジャンル:アニメ
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欅夏希 - とっても面白いです!感情の変化や状況などが分かりやすく、読みやすいなぁと個人的には思っています!お話を作るのは簡単ではないかもしれませんが、続きを読めるのを楽しみに待たせて頂きます。無理なさらず、頑張って下さい。 (2020年3月27日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
柚木夏紗 - 面白いっ!!!!更新待ってます!!! (2020年3月18日 7時) (レス) id: 73f9f96d98 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして いつも更新を楽しみにしています。 これからも頑張ってください^_^ (2020年3月14日 12時) (レス) id: d507af1541 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テル | 作成日時:2020年3月3日 13時

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