【短編集】賑やかな彼らと。2

頭痛 feat. てつや ページ36

てつやside


て「…ん、ぅ、あたまいた、」

て「……はぁ、なんこれ、」


ほんとになんこれ、ってくらい頭痛い、死にそう、いや死んじゃう、


て「…う、」


普段体調崩すことなんてあんま無いから、慣れない痛みに目の前が歪む。


て「……A…」


体調悪いと人肌が恋しくなるって誰かが言ってたけど、ほんとにその通りで。

情けないくらいAに会いたくて、抱きしめたい。


ｶﾞﾁｬ…


て「…っ！！」ﾊﾞｯ


ガチャって玄関のドアが開く音がして飛び起きる。

Aかもしれない、そう思って重たい体を引きずって玄関に向かう。


て「…りょうやん、」

り「なんでよwせっかく来てあげたのにww」


わざわざ起きてきたのに、そこに居たのはりょうだった、


て「…Aが良かった……」


そう呟けばにこにこと笑う目の前の男。本当にいじめっ子だ。


「…ん、りょうくん、そんなとこでどしたの？」


ガッカリする俺の耳に、大好きな声が飛び込んできた。

びっくりして顔を上げると、そこにはがさがさとコンビニの袋を鳴らして、りょうの後ろからひょこっと顔を出すAが。


「あ、てっちゃん、大丈夫？」

て「…A……？」

「なんか頭痛いって言ってたから色々買ってきたけど…、」

て「…え、俺言ったっけ、？」

り「…んふふ、」


俺がぽかんとしていると、りょうが口を抑えて笑った。


「りょうくんから聞いたの、てつやから連絡あったーって言うから、」

り「…せっかく俺がA連れてきてあげたのにあんな言い方されて傷ついたわーw」

て「ごめんなさいりょう様ありがとうございます」


俺は流れるように土下座をした。


「え、なにしとんのてっちゃん、」


土下座をする俺の隣を通ってキッチンへ向かうAを横目に立ち上がる、


り「ははっwほんとバカすぎww」

て「…だって……ってゆーか、りょうはいつまでおるん、」


Aと二人っきりがよくて、りょうの方をちらりと見る

り「うわっ、ひどいなぁw」

「う、ごめん…」


「てっちゃーん？キッチン借りるねー」


キッチンからはAの可愛い声が飛んでくる。


り「はぁ、邪魔者はとっとと退散するとしよーかな」

て「りょう様！！！」

り「今度なんか奢れよ」


なんて言うひと下りを終えてAのところへ。

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