【短編集】賑やかな彼らと。2

女の子の日 feat. としみつ ページ26

Aside

深夜1時半。
下腹部の痛みで起きた。

布団の中でもぞもぞと動いていると…

と「なにしてんの」

眠そうな色気のあるとしみつの声。

「…あ、ごめん起こしちゃった、」

そう言うと後ろから抱きしめてきた。
寝ぼけてるのかな…

と「どうしたん」

眠たそうに甘えるその声に私は弱い。

「…お腹いたい、」

と「…あー、あれ？あの、せーり、？」


恥ずかしそうにもごもごと喋る彼に私は頷く。

と「えと、どうしたらいい、？」

「……お腹、撫でて」

と「…ん、」

としみつの手はお腹の少し下辺りを撫で続けた。

「…ありがと、」

「…ん」

疲れてるはずなのに頑張って私のこと寝かせようとしてる、

と「さむくない？」

「ん、大丈夫」

大丈夫って言ってるのに小さめのタオルケットを私のお腹にかぶせ、また撫でてくれる。

かっこよくて優しくて、いい人だなぁ、なんて思いながら、

知らない間に私は夢の中に吸い込まれていた。





朝、4時
辺りはまだ暗いくて肌寒い。

寒い、痛い、苦しい。
一ヶ月に一回のこの苦しみがとてつもなく憂鬱である。
トイレから出て、リビングに行こうか寝室へ戻ろうか迷う。

寝室に行ったらまたとしみつのこと起こしちゃうだろうと思い、リビングに向かった。
リビングのソファの上でブランケットをかけて座りこんだ。

こんなしんどい思いして女の子やりたくないなぁなんて思う。
でも女の子じゃなきゃ、としみつの隣に居れないなぁって思って考え直す。朦朧とする頭で考えて頭がパンクしそうだ。

はぁぁってため息をついて、横に倒れた。






目を開けると窓から明るい光が差し込んでいた。
あのまま寝ちゃったのか、

ふと、重さを感じて、お腹を見るとお腹に巻き付くこの腕…

「…としみつ、？」

と「おはよ、」


寝ている私の前にはとしみつがいた。
そして上には毛布がかぶせてある。

「起きたら居らんから焦った」なんて私の首に顔を埋めて呟いた。

「…ごめん、起こしちゃ悪いと思って、」

と「体冷やしたらだめって言っとんのにリビングでブランケットだけで寝るとかほんとばかじゃないの、」

「…ほんとごめん、」

と「辛いんならもっと頼って、」


むすっとして見せる彼は本当に優しくてかっこいい、
頭を撫でると恥ずかしそうに目を逸らすその仕草も大好きだなぁなんて。



ーーーーーー
続けて更新です！

お知らせ。 ←New!→←リスカ part２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す