【短編集】賑やかな彼らと。2

禁欲。 feat. てつや ページ22

Aside

ガチャッ


あ、帰ってきた。

玄関の開いた音に反応して私は玄関までダッシュした。
そしてオレンジ色の彼に抱きついた。

て「ただいｍ…っと。危ねっ」

「おかえり」

てっちゃんのお腹に顔をうずめてつぶやく。

て「ただいま。」


一か月仕事があって東京にいたてっちゃん。
この一か月寂しすぎて死ぬかと思ったなんて口が裂けても言えない。

自分より年上なのに子どもっぽくて、頼りないとこもあるけど、なんだかんだ言ってリードしてくれる。
そんなてっちゃんがいない一か月は心に穴が開いたようだった。

て「あ、約束守れた？」

そう、東京に行く前の日の夜。
やることをやり終えたベッドの上でこんな約束をした。


ーーーー


て「やっぱり寂しいなぁ…」

「…Aも行く」

て「だーめ」

「一か月家に一人とかいたくないもん。やだ！」

て「駄々っ子さんかぁ、かわいいなぁ…そんじゃあさ、…一か月俺と会えない間でなんか一つ約束決めて達成できたらご褒美みたいなのにしん？」

「ご褒美？」

て「そ、ご褒美。あ、いいの思いついた。」

「？」

て「明日から一か月禁欲するっていうのは？」

「禁欲？」

て「そう禁欲。会えない間できんやん？だからって一人でしちゃダメね。ずーっと我慢して一か月後俺に再会。そのあとどうなんかなーって、」

「……やだ」

て「やだってことは一人でするつもりやったん？Aちゃんったら、」

「そんなんじゃない！！しないもん！」

て「じゃあ、余裕なうえにご褒美もらえるやん。よし、決定やんね」


ーーーー


てっちゃんの圧に負けて承諾してしまった約束。
もちろん、一か月を余裕で乗り越えたわけじゃない。

約束を破って嘘をつくことも考えた。
生理前で我慢ができなくなりそうなときもあった。
てっちゃんの動画みてたら我慢なんて難しくて、。
それでも一か月先、てっちゃんと会うために頑張ったのだ。


もう我慢しなくていいってことだよね。


て「ちょっ…んっ…」

そう思うともう質問とか会話とかどうでもよくなった。

て「積極的やん…我慢できたん、偉いね。」

そう言って頭をなでてくれるてっちゃん、
やばい好きすぎる。


「しよ」

上着の袖を引っ張って、上目遣いで誘えば。

て「仰せのままに」



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久々の更新です！！間に入れちゃってすいません(-_-;)

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