【短編集】賑やかな彼らと。2

密室4 ページ17

Aside


『ポッキーゲームしないと出られない部屋』


なーんもない部屋に赤い箱が1つ、

と私ととしみつ。


まじかぁ、としみつとのポッキーゲームは無理やん、だって多分私より照れる

そう思いながらちらりと隣を見ると、


と「……？////」


いろいろ考えながら、顔を赤くしている。


「…ねぇ、としm…」

と「ななななんだ！？！」

「いや、驚きすぎw」

と「や、ごめ、だって、」

「うん、で、これどーする？」

と「……これって絶対、？」

「……多分、？」


ひぇー、なんて言いながら下を向いたから、ちょっと観察←

あ、頭抱えてる……おわ、起きた、


と「…しよう！！」

「うん……え？」

と「ポッキーゲーム！しようって」

「…え、ほんとにするん？」

と「しなきゃ出れんだろ」

「いや、そうなんだけど」

と「ほれ！」


何故か開き直ってポッキーを渡してくるとしみつ。私がくわえて待つ側らしい、

やるしかないか、くっそ、


「……ん、」

と「…おう、」


やっぱり恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして距離を詰めてくる。

こっちまで恥ずかしくなってくる、


と「…ん」ﾊﾟｸ


やっとくわえたけど、そこでストップして目をつむってしまった。


ここは私が行くしかない、そう思って食べ進めることにした。


さくさく…さく、


さくさくと進む音に驚いて目を開けたとしみつと目が合う。顔に熱が集まるのが分かって、目をつむると、


さく……さく、さく


ゆっくり食べ進める音が聞こえた、としみつが頑張ってるんだろうけど、恥ずかしくて目を開けられない。


あまり長くないポッキーも、そろそろ終わりが近いだろう。


どうしようかと頭はパニックで、ドキドキと高鳴る胸を抑えようと必死に考えていると、唇に何かがあたる。


離れると同時に、わっ、という小さな声が聞こえた。


がちゃりと鍵の開く音もして、

そっと目をあげると、今までにないくらい赤面しているとしみつがいた。


と「いや、その、ちが、くはないんだけど、」

「あの、大丈夫だから」

と「あ、そっか、、なら、うん」


あまりに彼がテンパるから、赤くなる顔も高鳴る胸も、収まって、


「…ふふっ」


笑ってしまった。


と「なっ、笑うんじゃねぇ！」


顔を真っ赤して怒る彼はいつもと変わらなくて安心した。


「…だって、ふふっ」

と「…笑いすぎだばか」


そう言って短くキスをして、出口へ歩いていってしまった。

また、ドキドキと胸が高鳴った


ーー

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