結婚相手募集され中2《サバイバルウェディング》

ストレート ページ9

誕生日くらい優しく接してあげたいけど、
どうにも優璃は生意気だから
つい喧嘩になっちゃう。



「お見苦しいところ見せてすみません」




祐一「いえ、言い合える兄弟がいるって
羨ましいです。
僕は一人っ子でしたから」




「姉とはぶつからないんですけど、
妹とはなんか昔から馬が合わないんです。
妹も妹で自由奔放に生きているからか、
ついガミガミ言っちゃって」




祐一「きっと、優璃さんもそれが愛情って
伝わってると思いますよ。
今日、来てよかったです」




「え？」




祐一「Aさんの新たな顔が見れましたし、
優璃さんとも挨拶出来ましたし」



「あんな強気の妹ですが、
人一倍寂しがりなんですよ。
妹は祐一さんを気に入ったようですし、
ご迷惑かけるかもしれませんが、
今後もよろしくお願いします」




祐一「…Aさんのそういうところ、
…好きだなぁ」

…え、サラッと今何言ったの、この人。




「…急にどうしたんですか？」




祐一「面倒見が良いだけじゃなくて、
裏でこうして相手をフォローしてくれて。
流石お姉さんだとも思いますが、
僕といる日常の中でも垣間見えるので
そういうところ素晴らしいなって思います」




「そんな褒められるようなことでもないですが、
ありがとうございます。嬉しいです」




祐一「僕も早くAさんの役に立って
頼って貰える男になりたいです」




「…ストレートですね」

ちょっとだけ胸がきゅ、って
締め付けられる感覚がして
それしか返せなかった。



「あ、…もう、急にそんなこと言うから…、」

私は赤くなった頰を隠すように
手で頰を抑えた。




祐一「…こういう反応されると
たまらないんですが」



「…はい？」

祐一さん、おかしくなった？




祐一「おこがましいですけど、
僕の言葉に一喜一憂してくれるAさんに
内心嬉しくて舞い上がってます。
そうして、紅くなった顔は
他の人に見せたくないんですけどね」




私はポツリと呟いた。

「祐一さん…居た堪れないので
ちょっと出ます。
付き合ってください」



私は祐一さんの腕に捕まって
衣装替えやメイク直しのために押さえてある
控え室に入った。


「祐一さん、お褒めの言葉は
とても嬉しいですが、身が持たないですよ。
あんな人前で…」




祐一「…ふう、
僕は2人きりになる方が
身が持たないって話したのに…」

祐一さんは深呼吸をしたかと思うと
私を強く抱き締めた。




…やだ、心臓がバクバクいってる。

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