結婚相手募集され中2《サバイバルウェディング》

騒動 ページ21

…え、


「祐一さん、とりあえずまた連絡しますから」



祐一「嫌です。僕が帰ったら
その彼はAさんの部屋に行くんですよね？
そんなの黙って見過ごせません」



「さっき、彼が変なことを言いましたが、
もちろん彼氏じゃないですよ。
うちの運転手のバイトです」



祐一「…でも、デートもするし、
お部屋にもあげるんですよね…？」


しつこいな


荒木「俺もAさんのこと本気なんで。
女心がわかんないあんたには
Aさん渡さない」



「荒木くんは黙ってて。
これ以上、混乱させないでよ」



祐一「君もAさんを好きなのは
言われなくたってわかるよ。
でも、僕だって譲れないんだ。
みすみす渡すつもりはない」




「渡す、渡さないって
私はモノじゃないんですが。
祐一さんも荒木くんも今日は帰って下さい。
頭が混乱してしてついていけない」




祐一「君がちゃんと帰るのを見送ったら
僕も今日は帰ります。
後日、ちゃんと話し合いましょう」




荒木「仕方ない、今日は諦めるっすよ。
Aさん、今度は連絡しますんで。
うちの部屋来てくださいね。
そろそろ帰んないと片瀬さんにキレられるし」



「気をつけてね」


荒木くんの車を見送った途端、
ギューギューと強い力で抱きしめられた。


「祐一さん…い、痛い…」




祐一「何時間もずっとここで待ってました。
ずっと心配で…なのに、貴女は…」




「…私があの荒木くんと
そういう関係になるわけないじゃないですか」




祐一「…断言なんて出来ないですよ。
実際、彼は僕が現れてから敵意剥き出しでしたし、
部屋に上がったらきっと手を出すでしょう」



そう言われて、
また無意識に唇を触っていたのか、



祐一「…え、まさか、
キス、したんですか…？彼と」



「え、そんなこと言ってないです」



祐一「でも…、その顔は…
僕、貴女を大事にしたいって思ってるんです。
でも…」

そう言った彼の顔が気付けば目の前にあって
唇が触れるか触れないかのところで
止まっている。


なにこれ、恥ずかしすぎる。


顔を横にズラそうとしても、
祐一さんの手が私の頭を押さえてて。


「…祐一さん、ここ、外、…」



祐一「貴女が本気で好きなんです。
もう絶対、誰にも渡したくないし、
貴女と契約じゃなくて恋愛結婚したいって
昨日思ったばかりなんですよ。
…これは消毒です」

そう言ってキスをされた。



私はどうしたら良いのか分からず、戸惑う内
目からは涙が溢れ出した。

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