結婚相手募集され中2《サバイバルウェディング》

強引な若造 ページ17

荒木「ちぇー。
絶対綺麗に描く自信あんのにな」



「私、そういうの興味ないし、
モデルなんてやるタイプじゃないし」



荒木「…それに、俺、メイクも得意なんす」



「あのね〜、貴方は運転手のバイトでしょ。
変なこと言ってなくて良いから
運転に集中しなさいよ」




荒木「…ここで俺が、家に帰さないで
Aさんを家に連れてったらどうします？」




「はあ？警察呼ぶわよ」




荒木「俺、本気で頼んでるんですけど。
こんな機会、もう絶対ないんすもん」




「何言ってるの、
私なんかより綺麗な人沢山いるじゃない」




荒木「俺は！Aさんの顔がタイプなの！」




「いや、貴方の好みなんて聞いてないわよ」




荒木「もう、この感じ。ゾクゾクする〜！
想像どおり、ヤバイ」




「何を言ってるのかわからないけど、
仕事して！私の一言でクビになるわよ」



荒木「それはお勘弁〜。
学費払えなくなるし…」




「貴方、学費自分で出してるの？」




荒木「今年1年だけだけど。
親の会社が上手くいかなくて、
あてにならないからね」




「…そう。大変なのね」




荒木「だから、1枚でも絵を売って
金にしたいんすよ。だから、ね？ね？
お願いします〜！」




「だからって何で私なのかわからないわ。
私の顔なんて買いたい人いないって…」




荒木「何言ってるんすか！
そんな美貌持っておいて！
ぜっっったい売れますから！」




「…見た目だけそんな賞賛されてもね…
所詮、見た目か…」




荒木「なんすか、その暗い発言。
Aさんなら選り取り見取りじゃないっすか。
美人で、金持ちで、頭が良くて？」




「そんな持ち上げなくて良いわよ。
見た目だけで好きになられても
すぐに飽きられるのよ」




荒木「じゃあ、俺と付き合ってくださいよ」




「何言ってるの！冗談が酷すぎるわ。
大人をからかうのもいい加減にして」




荒木「…なんか、あったんすか？」




「別に、」




荒木「昨日の男っすか？」




「え？昨日、パーティーいたの？」




荒木「最後、ちょっとだけ」




「そう…全然気がつかなかったわ」




荒木「そうでしょうね、
あんなイケメンと楽しそーーうに
過ごしてましたもんね」



「なんか嫌味な言い方ね」




荒木「あの人と喧嘩でもしたんすか？」




「あなたには関係ないでしょ」




荒木「じゃあ、今からデート！
デートしませんか？」




「だから何で私が！家に帰らせて」




荒木「気分転換っすよ！」

強引という名の救い→←バイトくん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す