司書の噺 ページ48
▽▽▽
※※暴力表現あります※※
朝から雨が止まない、騒がしい日のこと。
新しく始めた司書の仕事にも慣れてきて、少し余裕が出来た頃でした。
人通りの少ない路地を通ることになった私は、この頃巷を騒がせていた不良を気にかけながら足早に歩いていました。
ですが、運悪く私は捕まってしまったのです。
mob「よお、にーちゃん……ちょっと金貸してくんね？お金無くてさぁ……」
em「っ！も、申し訳ございません、生憎私も持ち合わせがなくて……」
mob「はぁ？そんな訳ねーだろ！鞄の中見せろ！！」
em「あ！！やめてください！！！」
男は私を路地裏に引き込み、鞄の中身を地面の上に放り出して物色し始めました。中にはお気に入りの本などがたくさん入っていたので、雨に打たれて濡れていく様を見て私はかなり心を痛めました。
もちろん、抵抗しましたよ？ですが私では敵わなくてですね……
mob「うるせぇ！黙ってろ！！」
em「っ！が、は……」
腹部を強く殴打されてしまいました。
そのまま地面に倒れ伏し、動くことが出来なくなりました。
雨に濡れて張り付く前髪、頬に付着した砂の感覚、雨に打たれてぐっしょりと湿った服、そして、己の無力さ。
全てが嫌になって、気持ち悪くて、吐き気すら催してしまいました。
その瞬間です。
『っ、そこの人！！警察呼びましたからね！！』
mob「あ？なんだテメェ」
貴女が現れました。
雨の日で声が掻き消され、更に視界もあまりよくないはず。ですが、貴女は態々私のところまでやってきて救いに来てくれた。
『いっ、一般人の方に暴力振るったうえにものを奪うだなんて、最低です！！』
mob「なんだと？！やんのかテメェゴラァ！！」
そう言って、彼女は思いっきり殴られました。殴打した時の鈍い音が鮮明に聞こえて、申し訳なさと心配で乾いた声が溢れました。
私の為に身を呈してまで、私を救ってくれた彼女。
どこまでもお人好しな彼女が、私の目には女神として映りました。
そこからは警察が到着して、私と彼女は病院に運ばれて事なきを得ました。暫くの間鈍痛が治まりませんでしたが……
それから数日後、私たちは勤務先の図書館で再会することになりました。
私はその時の感謝を伝え、菓子折を渡しました。
それでも尚、お人好しの貴女は受け取るのを拒みましたよね？
今となっては懐かしい思い出です。
続編だ~~~~~ウワ~~~~~！！※追記あり※→←てんしがよんじゅういちにん
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葵斗(別アカ) - この主ちゃん文章の至る所にネタと面白さと尊さがちりばめられてるの好きです、はい(？) (4月15日 7時) (
レス) @page31 id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
暁 - てえてえだぜ！！！！！ (8月8日 12時) (レス) @page15 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
28(プロフ) - セエレさん» ありがとうございます〜！！セエレさんのおすすめ欄お邪魔しました😁✨ (5月22日 12時) (レス) id: 4dca6e121a (このIDを非表示/違反報告)
セエレ(プロフ) - おすすめがぐう有能で生きる… (5月22日 2時) (レス) @page16 id: b81e176fb0 (このIDを非表示/違反報告)
28(プロフ) - ふうあさん» ありがとうございます~！！是非完結まで見届けてやってください！！ (5月19日 19時) (レス) id: 4dca6e121a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：28 | 作成日時：2022年7月30日 2時
