【テニスの王子様】遠回しな君の隣【不二周助】

25話　なんやかんやで ページ26

紆余曲折ありまして、只今私は、東京観光に来ています。


金「たっ......かいなぁ」

感嘆した様子で、金ちゃんは東京タワーを見上げた。
そんな金ちゃんをデジカメ(高画質)で連写し続けている私に、後ろから「うわー」と一歩引いていると感じ取れる声がする。


しかし家を出てからずっとこんなものなので、もう気にはしていない。楽天的な性格でよかったね私が。ホント、よかったね。


金「上行きたい！」

貴「え、でも金ちゃんお金あるの？」

金「あ......」

そうつぶやいてポケットの中を探る。
そっと手のひらに取り出されたのは、300円程度だった。

貴「あれま」

金「うっ......」

金ちゃんがいたたまれない表情をする。
上りたい。でもお金がない。そんな葛藤が表情からうかがえる。

そんな金ちゃんが健気すぎる。かわいい大好き愛してる。愛でたい超愛でたい。


貴「私が出すよ金ちゃん。(だからモフモフさせてくれ)」


白「心の声が顔に出すぎや。隠す気あるんか」

貴「強いて言えばないです」

白「ないんかい」

白石さんが脱力する。

謙「ホンマに上るんか？俺そんなに金ないで」

一「俺は小春とならどこまででもいけんで」

小「あら、あの子いいじゃない......」

一「浮気か！死なすど！」

千「東京観光なんて初めてたい」

財「いい加減帰りたいっすわー」


ちなみに、銀さんは弟の鉄のところに行っているらしい。小石川さんもそれに同行。
まともなあの2人がいないとなると厄介な気がしていたが、いまさらどうにかなる問題でもない。

四天宝寺で2番目に会いたかったのはあの2人なのに。

金ちゃんがいるから贅沢は言えないか。


貴「皆さん何を言っているんですか。金ちゃんが行きたがってるんですよ。保護者として同行すべきで..................やっぱり無理にとは言いません。私と金ちゃんだけで行きます」


白「自分今なんか怪しいこと考えたやろ」

貴「まままままままままさささっか」

謙「声裏返ってもうてるやんけ」

小「Aちゃん相変わらずかわいいわね」

金色さんに至っては語尾に「うっふん」という言葉が付きそうだ。
でも嫌いじゃない(いい顔で)。


千「俺は一緒に行くけん」

貴「なんか目が輝いてますね千歳さん」

金「初めて言うとったもんな！わいも東京観光はじめてや！」


そういう金ちゃんに、もともと何をしに来たんだ君はと、ツッコミを入れようとしたがやめておいた。

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