どっぷりメンヘラ系男子

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あ






ぐりっと頭を掴んで前を向かされる。




その拍子に捻った首を、手でさすってると。









あ……。









視界のど真ん中に、




まさに登校中のチョンジョングクが写る。









…なんだろう、





スマホ片手に颯爽と歩く姿まで、そこらへんの芸能人よりかっこよく見える。








って、あれ、やっぱり私の頭っておかしくなったのかな。









テヒョン先輩も急に大人しくなっちゃったから、




私も黙ってチョンジョングクの動向を見守る。









ちょうど彼が私たちの目の前に来た時。






どこからか甲高い声が聞こえた。









.








｢ジョングクくんっ｣






.







｢あ、あれは…！








ミスコン先輩！｣







TH｢ほんと、懲りないよねあいつも｣








.







いきなり後ろから現れたミスコン先輩は、




女子も鼻血を出すレベルの愛くるしい笑顔でチョンジョングクの腕に絡みつく。








呆れたようにため息をつく隣のテヒョン先輩だけど、




正直先輩に返事をしてる余裕なんかなくて。









目の前で繰り広げられる光景に、





心臓がずきっと音をたてて痛んだ。









.








｢なーんか、この前まで子ザルみたいな女にかまってたみたいだけど。




最近一緒にいないみたいだから、また私のチャンス到来かなって。







てか、正直あの女からかってただけでしょ？





私の告白断っといてあんな女選ぶとかありえないもんね？







ジョングクくんも案外ワルだよね〜｣









あ









おいおいおいおい、子ザルって私か！？





なんだあの女は！！




天使なのは見かけだけじゃないか！！






.






…なんて、






噛みつく元気もなぜか今の私にはなくて。






.







やっぱり傍から見ても、私ってからかわれてただけなんだなって。






思い知らされてむしろ撃沈というか。





.





胸の痛みもすでに限界に達してて、もう見てられない。





.






静かにその場を離れようとしたら、





テヒョン先輩に手首を掴まれて止められる。









あ









TH｢ちょっと、おもしろいのここからだから！｣









あ









…なんかもう趣旨変わってません？






ただの野次馬な気が。






あ

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