第4章 : 見えない距離 ページ17
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ついに本格的な治療が始まった。
まずは通院によるステロイドの投薬。
あれから手越が "一緒に行ってあげる" って言ってくれて、シゲや小山、そして事務所の人に病気のことを伝えることが出来た。
俺が言い出せない気持ちに気付いて、手越はいつも勇気をくれていた。病気を打ち明けた日も。いや、そのずっと前からそうだった。
おかげで仕事の都合は通院に合わせてもらうことが出来た。申し訳ない気持ちもあったけど、まずは身体を治すことが最優先だとみんなも言ってくれた。
でも、治療は思った以上にキツくて苦しいものだった。
血小板の減少を抑えるために飲むステロイドは、原因になる免疫力を抑えてしまう。
だから風邪を引きやすくなった。それでも風邪薬の併用が出来ないから耐えるしかなくて、高熱で眠れない日もあった。
無理をしなければ仕事を続けていいと言われても、そんな体力はどこにも残っていない。それがすごく悔しかった。
「まっすー、大丈夫...？熱、下がんないね...」
一人でどうにも出来ない俺を見かねて、手越が仕事終わりに家に来てくれることが増えた。
最初は人をあまり家に入れたくなかったけど、それ以上に苦しさを紛らわせてくれる人がいて欲しかった。
何かあった時すぐに来られるようにって、合鍵も持ってくれている。
正直そこまで世話を焼かれるのは得意じゃなかったし、仕事の合間を縫って来てくれる手越には本当に負担を掛けていると思う。
それでも文句ひとつ言わずに看病してくれた。
今日だって "寂しい"、なんて理由だけで呼び出してしまったのに。
「苦しいのはね、薬がまっすーの中で頑張ってくれてる証拠なんだよ。だから大丈夫。寂しかったらいつでも来てあげるから、ゆっくり休んで。」
呼び出したことを後悔するぐらい、手越はイタズラに笑っていた。
苦しいはずなのに、どうしてこんなに温かいんだろう。
ずっと眠れていなかった身体は、気づけば夢の中に沈んでいた。
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未来(プロフ) - なんだか読んだ覚えあるな、と登山の内出血のところで気づいたのですが、ほんならまた来世でなっていうのと被ってるのですね！（そちらの方はこの前読んだんです！）素晴らしい作品ですね、いつのまにか泣いてます(笑) (2020年5月16日 2時) (
レス) id: 8bbaf315cc (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - みーぽんさん» 了解です ！これからも頑張って下さい d(^_^o) (2020年4月4日 0時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - かのさん» ごめんなさい、単なる誤字です。笑 ご指摘ありがとうございました(^^) (2020年4月3日 23時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - みません。 (2020年4月3日 23時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませてもらっています。気になる点があったので、コメントしました。 ＃3-5のお話で｢くつろいがせてもらっていたら、｣という表現があるのですが、｢くつろがせてもらっていたら、｣の表記の方が正しい気がします。私の知識不足だとしたらす (2020年4月3日 23時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みーぽん
| 作成日時：2019年8月18日 1時
