3.小悪魔の企み ページ3
誰にもバレないように隠してきた。
特にメンバーなんてのは本人の次に注意深くしてたはずだった。
...なのに。
「ねぇ、Aってレイジのこと好きでしょ」
「な、なんで!?違うんですけど!」
「...声、裏返ってるよ」
目の前にいるQUARTET☆NIGHTメンバー、美風藍。まさか、15歳に見破られるとは。
まぁ、メンバー内でバレるとしたら藍だろうとは思ってたけど。...なんていうか、さすがだ。
「で、わたしのことどうする気!?」
「どうするって?」
「何か企んでるんでしょ!わたしの弱味を握ったのをいいことに、それをチラつかせてパシる気なんでしょ!」
藍のことだ。人の弱味を握って何もしないわけがない。
こないだなんて、わたしが蘭丸の動物たちに囲まれてるレアな写真を隠し持ってるのを藍ちゃんに見つかったとき。それを本人に黙ってる交換条件として、カミュに砂糖の代わりに塩を大量に入れたコーヒーを出させられた。
藍曰く、情報収集らしい。
情報収集でそんなことするなんて、なんてえげつないことを考えるんだろう。
なんて思っているとき、ふと視線を感じて顔を上げれば、意外にも藍ちゃんは少し不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。
それからわたしと目が合うと、一瞬間をおいてから、アイドルらしからぬムッとした顔をして眉をひそめてみせた。
「...はぁ。ボクのことなんだと思ってるの?大体、Aが誰のことを好きかなんてボクには関係ないことだよ」
「ほ、ほんと?」
「でも、興味はあるけどね。まぁ、これから情報収集の一貫として観察させてもらうよ」
ホッと息をついたのも束の間。片方の口の端を上げて意地悪そうに微笑んだ藍に戸惑いを隠せなかった。
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ユリア(プロフ) - 環様、お話読ませていただきました!主人公と嶺ちゃんの関係性がどんどん変わっていってどうなるか分からず、ドキドキしました❤これからも応援してます(^▽^)/ (2023年3月20日 18時) (レス) @page29 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 朝倉ひなさん» 朝倉ひなさん! そうだったんですね......( ; ; ) そんな言葉を言ってくれる人が身近にいるなんて羨ましいです!!(笑) 心のこもったあたたかいコメントありがとうございます^ ^ とても幸せな気持ちになりました!! (2017年10月16日 22時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
朝倉ひな - だから、嶺ちゃんに、君が必要、と言われた夢主ちゃんは、そこに存在意義を感じただろうし、それが何よりも幸せだと思います。こんなにも共感でき、メッセージ性のある夢小説を読むのは久しぶりです。これからも頑張ってください! (2017年10月16日 21時) (レス) id: 35a6a0831a (このIDを非表示/違反報告)
朝倉ひな - 泣けちゃいました。私もすごく似たような立場だったので。ずっと私は、必要とされていないと思ってたんです。でも、ある人に、顔とか性格とかも好きだけど、お前を好きになった理由の一番はお前だったから、と言われて、泣きそうになりました。 (2017年10月16日 21時) (レス) id: 35a6a0831a (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - コメントありがとうございます! そして返信遅くなってすみません! 私も努力家の女の子の方が応援したくなるし、素敵だなって思います、、!! 今回は春ちゃんが悪者っぽくなってしまいましたが、次に機会があれば春ちゃんの良い場面も書いていけたらと思ってます! (2017年10月8日 23時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:環 | 作成日時:2014年4月25日 18時