翼を、ひろげて

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お風呂上がりにスマホを見ると
不在着信が1件。開いてみると

『…え、なんで…？』

関田先輩からだった。
休校になってから1回も連絡してないのに。







10分前だし大丈夫だよね、
ということにして掛け直す。








「生きてたのか、良かった良かった。」
『その心配してたんですか？』
「ちげーよ、俺に会えなくて寂しい誰かさんの心配してんの。」


…ふざけて言えば、本音だってバレないよね、


『そうですね、私は先輩に会えなくて寂しいです。先輩は？』
「……別に俺は寂しくねーよ。まあ、Aに会わないのは変な感じだけどな。」
『素直じゃないですね、本当は寂しいけど照れ隠しとか先輩可愛いですね。』
「可愛くねーから、」
『でも私、先輩のそういうとこ好きですよ。』
「……」









何故か急に電話口が静かになった。
……私、マズいこと言った？








『先輩、大丈夫ですか、』
「…お前さ、そういう事誰にでも言うのか？」

…そういう事、とは？

「…だから、好き、とか誰にでも言うのか？」

言いたい事は分かったけど、

『なんでそんな事聞くんですか?』

そう言うと、溜息混じりに

「…好きでもない奴にそんな事言うな、勘違いされるぞ」
と返ってきた。








…何も気付かない先輩に少しイラッとして、

『先輩って本当に鈍感ですね、』
「は、」



『…私、勘違いされたくない人にはこんなこと言いませんから!』









言ってしまった、と気付いた時にはもう遅い。
急に恥ずかしくなって、通話終了を押す。
…これでもう、関田先輩との関係も終わったな、
もっと話したかったな、と思っていたら、









関田誠大言い逃げすんなバカ
関田誠大許さねーから
関田誠大学校始まったら倍にして返す









…ねえ、これってもしかして。
ツンデレが過ぎる内容に、
にやけが止まらない。







A楽しみにしてます








送った途端についた既読を確認して、
私はトーク画面を閉じた。









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たこさんリクエストありがとうございました!

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