検索窓
今日:13 hit、昨日:29 hit、合計:462,358 hit

57 ページ12

その日の夜、私は再び夏樹の家に泊まっていた。

お風呂もご飯も済ませ、いざ寝ようとベッドに入る。
もちろん夏樹に抱きしめられて腕枕をしてもらいながら。



「なんか…今日はいろいろあったね、すこし疲れたー…」

夏樹「まさかこんなことになるとはな。…思ってもなかった」

「私も。…ツバメには本当感謝してもしきれないね?」

夏樹「…そうだな」

「でもね?…私少し悔しいんだ。ツバメよりも夏樹と長く過ごしてたのに、苦しんでること気づいてたのに、長いあいだ助けてあげれなかった。…それなのに、ツバメはこんなあっさり夏樹を助けられたんだもん」




私は臆病者だから。弱いから夏樹を助けられなかった。
ツバメの素直で強いところに、嫉妬してるんだ。



「…ツバメにやきもちやいてる。こんなのおかしいよね…?」



そんな自分が嫌だ。
何もできなかったからって、僻んでる自分が。


そんな私をじ、と見つめてから、ふっ、と笑う夏樹。



夏樹「やきもちやきなお姫様だな、Aは。…Aは何もできなかったっていうけどな、俺はそう思ってねえよ。…今まで一番近くで支えてくれたのはAだろ?」

「私、…ちゃんと夏樹の支えになれてた…?」

夏樹「当たり前。A言ってくれただろ、俺の味方だって、離れたりしないって。…その言葉だけで救われてたよ」




夏樹はなんで私が言って欲しかったことを、言ってくれるんだろ。

泣きそうになるのを堪えて、冗談ぽく茶化す。



「今日の夏樹、いつもより素直だね?」

夏樹「馬鹿、たまにはいいだろ」



笑いながら私をきつく抱きしめる夏樹。
そんな夏樹の腕の中で少しだけ泣いた。

お知らせ→←56



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (545 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1113人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アルム(プロフ) - 今も更新待っています!本当に面白いです! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - 今も更新待っています!本当に面白いです! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
らびっと - この作品が大好きで何回も読み直しています!!何度読んでもキュンキュンします!更新頑張ってください^o^ (2017年6月11日 5時) (レス) id: 9a86f7756f (このIDを非表示/違反報告)
りな☆(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張ってください! (2017年5月14日 3時) (レス) id: f0df852b63 (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ(プロフ) - この作品は、二、三回読んでます!その度にキュンキュンさせてもらってます。ありがとうございます。更新頑張ってください、待ってます。 (2017年5月2日 18時) (レス) id: 095aa0ad59 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みる | 作成日時:2015年2月15日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。