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その日の夜、私は再び夏樹の家に泊まっていた。
お風呂もご飯も済ませ、いざ寝ようとベッドに入る。
もちろん夏樹に抱きしめられて腕枕をしてもらいながら。
「なんか…今日はいろいろあったね、すこし疲れたー…」
夏樹「まさかこんなことになるとはな。…思ってもなかった」
「私も。…ツバメには本当感謝してもしきれないね?」
夏樹「…そうだな」
「でもね?…私少し悔しいんだ。ツバメよりも夏樹と長く過ごしてたのに、苦しんでること気づいてたのに、長いあいだ助けてあげれなかった。…それなのに、ツバメはこんなあっさり夏樹を助けられたんだもん」
私は臆病者だから。弱いから夏樹を助けられなかった。
ツバメの素直で強いところに、嫉妬してるんだ。
「…ツバメにやきもちやいてる。こんなのおかしいよね…?」
そんな自分が嫌だ。
何もできなかったからって、僻んでる自分が。
そんな私をじ、と見つめてから、ふっ、と笑う夏樹。
夏樹「やきもちやきなお姫様だな、Aは。…Aは何もできなかったっていうけどな、俺はそう思ってねえよ。…今まで一番近くで支えてくれたのはAだろ?」
「私、…ちゃんと夏樹の支えになれてた…?」
夏樹「当たり前。A言ってくれただろ、俺の味方だって、離れたりしないって。…その言葉だけで救われてたよ」
夏樹はなんで私が言って欲しかったことを、言ってくれるんだろ。
泣きそうになるのを堪えて、冗談ぽく茶化す。
「今日の夏樹、いつもより素直だね?」
夏樹「馬鹿、たまにはいいだろ」
笑いながら私をきつく抱きしめる夏樹。
そんな夏樹の腕の中で少しだけ泣いた。
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アルム(プロフ) - 今も更新待っています!本当に面白いです! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - 今も更新待っています!本当に面白いです! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
らびっと - この作品が大好きで何回も読み直しています!!何度読んでもキュンキュンします!更新頑張ってください^o^ (2017年6月11日 5時) (レス) id: 9a86f7756f (このIDを非表示/違反報告)
りな☆(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張ってください! (2017年5月14日 3時) (レス) id: f0df852b63 (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ(プロフ) - この作品は、二、三回読んでます!その度にキュンキュンさせてもらってます。ありがとうございます。更新頑張ってください、待ってます。 (2017年5月2日 18時) (レス) id: 095aa0ad59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みる | 作成日時:2015年2月15日 0時