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かけがえのない存在 ページ42

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キ「それで、今の旦那さんと付き合う事になったんだ?」

A「…私は本当は、誰とも付き合いたくなかった。彼氏を傷つけた事も、ストーカーの事も、私の中で一杯一杯で。早く大学に慣れて、勉強に集中したかったの。留学もしたかったし…」

キ「でも?」

A「当時の、旦那の押しが強くて。お世話になった手前、無碍にできなかった。突然押しかけられても、追い返すことができなかった」


うん、容易に想像できるよ、その感じ。そしてその後何があったのかも、もう。

A「わたし…りくとりんは本当に大事なの。命なんかいつでも差し出せる程に。可愛いし、いい子達だし、私には勿体無いくらい」

キ「そんなこと言うなよ。Aさんの子だから、Aさんが愛情込めて育てたから、いい子なんだろ」


訪れた沈黙のあと、小さな嗚咽が聞こえ、単調な国道の景色からAさんに目をやると、大きな瞳に沢山の涙を蓄えて、静かに泣いていた。
オレは慌てて片手でティッシュを数枚取って、Aさんの顔にそっと押し当てた。

キ「ごめん…泣かせるつもりじゃ」

A「ううん…私こそごめんね。キヨさんに、何話してんだろ…」

キ「違うよ、オレが聞きたかったから。…当てていい?世話になった『ユウくん』に強引に関係を迫られて、断れず、…結果としてりくを身籠った。違う?」

A「…違わない。それで、大学も中退した」

キ「自分の人生を大きく変えざるを得なかったけど、りくやりんと出会えたことは後悔してないって、言いたいんでしょ?」

A「…あの時に戻れるなら、やり直したいと言う思いもあるの。でも、りくとりんに会えない世界なんて想像できない」

キ「ふ、根っからの母さんだな。いいじゃん、別に今からだってやりたかった事は出来るはずだよ。それに…りくとりんを産んでくれて、オレも本当に感謝してる」


あの2人がいなきゃ、Aさんと出会えていなかった。それに…オレにとってもあの2人は、もはやかけがえの無い存在なんだ。



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設定タグ:キヨ , 実況者 , レトルト   
作品ジャンル:恋愛
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いりや(プロフ) - 凛さん» ありがとうございます、そのコメントに私がキュンキュンしてます!特殊な関係の2人なのでまどろっこしいですが、付き合う前のきゅんきゅんを味わって貰えれば本望です。更新頑張ります(*´꒳`*) (2021年12月6日 17時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 毎話きゅんきゅんしてます…いりやさんが作る作品全て好きですが、この作品は特に好きで、出来た時から応援しています!これからも更新楽しみにしています! (2021年12月6日 11時) (レス) id: 766ff61372 (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - さんご。さん» 気にしてくれてありがとう(;ω;)!運営に問い合わせたら返事はないけど外れてました。本当に色々ありがとうー!モチベ戻ったので笑、更新頑張ります! (2021年10月1日 17時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
さんご。(プロフ) - わーーーー!!R外されてる!!よかっためちゃくちゃ安心しました!これからも作品楽しみにしてます! (2021年10月1日 16時) (レス) id: 964fb42fef (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - わんださん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!更新の励みになります。頑張ります! (2021年9月16日 21時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いりや | 作成日時:2021年9月11日 21時

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