【リボーン】俺は、「死」ってもんに興味があるだけなんだよ。Second (ページ17)

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§兄貴§ ページ17

なぜこんな事になったのだろう。

『ああ…。真面目に死ぬかと思った。』

「…頑張ったな」

あれ、ディーノさんの視線に哀れみの感情が入ってる？
現在の自分の状態。顔に擦り傷が数ヶ所、体中に打撲がぽちぽち。
地味にいてえ。
ケンカは強い方だし、この世界に来る前だってあちこちの不良の相手をしてたとも。(髪の色とかピアスとかで色々絡まれたから)
しかしまあ、あれだね。結論を言うと、
雲雀さん、不良とは格が違うよね。めちゃくちゃ強かった。
まあ、それを本人に言ったら「当たり前でしょ」と返されたのだが。

「…お前、前に格闘技かじってるって言ったよな」

『…あー、言ったような』

ディーノさんが屋上のフェンスに寄りかかったまま言う。
その質問に対してそういえば言ったなあ、と曖昧な事を思いながらも返事をした。
因みに、雲雀さんは少し離れたところで同じようにフェンスに寄りかかっている。

「あれって、ジムかなんたに行ってたってことか？」

『ジムっつーか…、兄貴に。』

「兄貴？」

***
第三者視点

「兄貴？」

『そうです、兄貴。上に一人居るんですよ。その人に教えて貰ったというか』

思わねぬ第三者に、雲雀も耳を傾ける。
思い出したように我流だったらしいです、と付け足すA。その目は、ボウ、とどこか遠くを見ているようだった。

「…そいつは、普通の奴だったか？」

この質問は、ディーノ自身は「マフィアなどではなかったか？」と聞いたつもりだったのだが、

『んー、頭は結構おかしかったと思います』

と、Aは答えた。
けれどもAは次に、

『でも尊敬してますし、憧れてもいます』

と、今までにない楽しそうな表情で続けた。
この表情には、ディーノだけではなく、雲雀も驚いた。
Aは普段、「嬉しそうに」笑うことはあっても、「楽しそうに」笑うことはない。
しかも嬉しそうに笑うときは、本能的に笑っている、というか。
言うならば、舞台などで演じる時の笑い方。
そんな感じだった。

「…、お前の兄貴、今どうしてんだ？」

『ああ、2年くらい前に事故で御陀仏しました。』

「…悪い」

『いやいや。兄貴の自慢が出来て嬉しかったです』

Aはバッと立ち上がり、男は黙って前に進むのさっ！とポーズを決めた。
その姿は、一昔前に父を失ったディーノにとっては、少しだけ格好良く映った。

――――
も、文字数がっ！