あの子になれなくて

リーダーとして -スンチョル- ページ31

クラが倒れた。
俺の頭はそのことしかなくてただ、呆然と立っていた。ドギョムとユナがクラに急いで駆け寄る。

「クラっ！！！！」

「ねぇ、クラ。どうしたの？大丈夫？」

「待って、クラは睡眠薬飲んでる。下手に激しく動かさない方がいいかもしれない」

ジュンが衝撃的な言葉を言った。

「…睡眠薬？」

「おい、ジュン。どういうことだよ」

ハニが焦ったように聞く。

「俺、クラの通ってる病院の名前知ってるんで電話かけてきます。ムンジュニ、クラのこと頼む」

「うん、分かった」

ジュンはそう言いながら、クラを優しく動かして楽な体制にさせた。

「俺スタッフ呼んできます」

ディノが楽屋を出て行く。
マンネが冷静に行動してて、俺はリーダーのくせにクラに何もしてやれなかった。




クラは救急車で運ばれていった…。



「…ヒョン。俺のせいだよね。クラが倒れたの。ごめん。ごめんなさい」

ミンギュが泣きながら俺に言う。

「ミンギュのせいじゃない……リーダーなのに何もしてやれなかった俺のせいだ。」


前にウォヌが言った言葉を思い出す。


ヒョンは見ているようで見ていない。
あいつの見えているものが全てじゃない。
俺らが荷物を持ってあげようと思っても、あいつが荷物を離してくれなきゃ意味がない。
クラを分かってあげられなきゃ何もしてあげられない。って。


ウォヌはクラの苦しみに気づいていて、でも、何もしてやれないことに悩んでいたんだ。
ウォヌからのSOSでもあり、クラからのSOSでもあった。俺はそれを分かってあげられなかった。




ウォヌはすごく苦しそうな顔をしている。









「バカじゃないの？お前だけのせいじゃない。これは俺らみんなの問題だ」

ジョンハンが言う。







目を真っ赤にして泣いているユナ。それを支えるバーノン。みんな唖然としていた。唯一クラについて知っているであろうウジが沈黙を破った。



「こうなる前にしっかり話し合うべきだった。クラの意志を尊重する方が良いと思って黙っていたけど、結局こういう結果になるなら無理やりにでもみんなに話すべきだったと思う。ごめん。」




その日クラがいなくてもスケジュールに穴を開けるわけにはいかず、いつも通り仕事をこなした。







でも、その日のスケジュールの記憶はほとんどない。





記憶にあるのはクラの苦しそうに話した言葉だけだった。

崩れた地面→←絡まる糸は戻せない

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ラッキーカラー

あずきいろ

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