あの子になれなくて

睡眠薬 ページ23

最近体調が良くなくて
仕事にも影響が出そうだと危機感を感じ、またあの病院へ行った。きっと風邪か睡眠薬の副作用か何かだろう。


「お嬢さんまた会ったね。今日はどうしたの？」

「最近体調があまり良くなくて…風邪か睡眠薬の副作用だと思うんですけど…」

「そうか。じゃあ少し診てみようかな。どれどれ」

んー…と難しい顔をしたお爺さん先生はこう言った。

「ストレスが原因だろうね」

「は？」

「最近仕事で嫌なこととか、いや、プライベートでもいいよ。おじさんは何も言わないから教えてくれないか？」

ストレス？元々思ってたユナになりたいって気持ち？それとも、あのアンチの手紙？夜眠れないこと？ダンスが上手く踊れないことかな？


いや。そんなはずはない。
私は頑張って耐えてきたんだ。頑張って頑張って頑張って必死でしがみついて耐えてる。

それなのにストレスで体調不良？そんな言葉で片付けられるものなの？こんなに頑張っているんだから違う何かが原因だ。


「あんまり頑張りすぎたらだめだよ」



「うるさいっ！！！あんたに何が分かるの？何も知らないくせに勝手なこと言わないでよ！！！」


私は思わず診察室を飛び出した。
それでもお爺さん先生は優しく困った顔で微笑んでまた来てねの一言だけだった。





あのあと違う病院を何件も回ったが
言われた言葉はストレスによる体調不良だった。







私は泣きそうになるのを必死に堪えて、宿舎に戻る。宿舎の外にはウジオッパが立っていた。



「…オッパ。どうしよう。どうしたらいい？」

「おい、どこ行ってたんだよ。何があった？」

「お爺さん先生に酷いこと言っちゃった。全部全部私のせいなのに…」

ウジオッパに言っても意味は分からないだろうけど、ウジオッパは難しい顔をして私を抱きしめた。

「お前はどうして自分を大切にしないんだ。なんで俺はお前を分かってあげられないんだ」



ウジオッパは私を強く抱きしめてあの日のように綺麗な手で私の頭を撫でる。









あの日と違うところはただ一つ、私が泣いていないこと。ただそれだけだった。

それでもいつもの朝→←不思議なジュンオッパ

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ラッキーカラー

あずきいろ

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