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 「散兵」がもし、人を愛したなら。砂漠の砂粒の中から輝く宝石の粒を見つけ出したなら。いつか朽ちてしまう運命に、抗おうとするのだろうか。

 自分と同じように、老いなければ簡単に死にもしない人形のように、できることならしてしまうのだろうか。…それとも、愛する者から「裏切り」を受けることが恐ろしいからと、その首を締めるのだろうか。

 
 考えるだけでも、その身勝手で愚かな行為が選択肢に挙げられてしまう過去の自分が恥ずかしくて仕方なくなる。心から、僕とあいつの出会いがこの「ヒトであることの証明」、すなわち神の目を手にしてからのことで良かったと思っている。でなければ、僕は。

 
「…誰かにプレゼントするのかい」


 丁寧に紐を操っている老婆にそう尋ねられ、僕は一瞬黙った。恋人、というのが恥ずかしい訳ではないが、ふと、僕がこんなものを彼女にやってもいいのだろうかと、闇の中から伸びてくる腕が僕の背中を奪ったような感覚に陥った。


「ああ。………そのつもりだった。…以前の僕は、過ちを繰り返して生きていたんだ。罪人の隣は、あいつにあまりにも似合わない」

「あんたはまだ若いからね。いろいろ考えるのもわかるけど、贈り物をする相手は、必ず自分の大切な人だよ。大切な人には、してやらなきゃいけないことと、してやりたいことってもんがあるんだよ。…なあ。……どんな人なんだい」


 僕は、狭い箱の中から開放されたようにハッとした。大切な人。確かに、大切な人だ。僕と釣り合うだとか、触れる権利だとか、そんなものはなんら関係ないのだ。彼女が大切だから護る。それだけのことじゃないか。…今の僕は、傷つけることに代わって、護る力がある。


「…ちっさくて、へなちょこで、……バカで、あったかいやつさ」

□→←ずっと、手を繋いでいられたら / 放浪者



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名無し3680号(プロフ) - まくらもとさん» 読ませていただきました!最高でした。素晴らしいお話ありがとうございます! (2023年3月6日 22時) (レス) @page34 id: be46167942 (このIDを非表示/違反報告)
まくらもと(プロフ) - 名無し3680号さん» 遅くなってしまってすみません。書き上げましたのでレス失礼します。書いてて「これでいいのか?」と悩んだんですが、まくらもとらしさを重視してそのまま投稿しました。ちょっと長いんですがよろしくお願いします〜 (2023年3月6日 21時) (レス) id: b517cf66d5 (このIDを非表示/違反報告)
まくらもと(プロフ) - 名無し3680号さん» リクエストありがとうございます!!3.5の風花祭での登場もあると思いますし、ブリュー祭を振り返って想像を膨らませながら書いてみますのでお待ち下さいな。いつもありがとうございます! (2023年2月27日 16時) (レス) id: b517cf66d5 (このIDを非表示/違反報告)
名無し3680号(プロフ) - リクエスト宜しいでしょうか?ミカ君で夢主と事故キスする話しなど書けますでしょうか?いつも楽しく読ませていただいております! (2023年2月26日 22時) (レス) id: be46167942 (このIDを非表示/違反報告)
まくらもと(プロフ) - ルーナさん» 好きじゃなかったら絶対「いつか旅に出られるといいね」としか言わなかったと思います。衝動で動いちゃう空ほんと… (2022年9月27日 22時) (レス) id: cfa18e3d30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まくらもと | 作成日時:2022年9月27日 1時

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