自由の象徴 / ウェンティ ページ18
・
璃月の旅行から帰ってきて、まずはじめに会ったのはディルックさんだった。
ばったり会ったので、旅行は楽しめたのかとか軽く話してから、別れ際に"呑兵衛からの伝言だ"と一方的な待ち合わせの約束を告げられた。
明日にアルベドとの予定があるから、今日一日は休みながらみんなに挨拶でもしようと思ってたんだけど。
まあ明後日でもいっか、なんてのほんと考え、とりあえずそこに向かうことにした。
途中にスイートフラワーを採ってそのままかじったりしながら、開放的なモンド領を見渡す。
璃月、山ばっかだったなあ。
しばらく歩くと、大樹が風を受けて葉がそよそよ揺れているのが見えた。
「ウェンティ、きーたよ」
「あ、おかえり!待ちくたびれたよ」
「真っ先に来てやったんですけど?」
旅行、どうだった?
木漏れ日の下で、並んで座った草むらはやわらかい。なーんだ、ただの土産話か。勝手にりんごを一つ食べた。
「土産話って童話みたいで面白いよねって言ったのAじゃないか」
「特に旅人のはね〜」
ちょっと刺激強いか。詩にするには良いけどね。ライアーを撫でながら私の土産話をきく彼は、ときどき考えながら、いつものように楽しそうな笑顔で頷いていた。
「それにしても、Aの旅行もいっつも変わってるよね…」
「努力に見合ってたよ、清心の味は」
薬屋でモラを使いたくはなかったので、わざわざ山に登って清心を摘んだ思い出を話すと、ケラケラ笑うもんだから。
「いつも思うけど、ウェンティって自由だよね」
「どうしたの?いきなり」
その姿が、いつもの様子とやっぱり重なって、ふと口にした。
「ほら、エンジェルズシェアってツケNGなのに当然のごとくツケるし、変なとこにいたりするし」
「君も大方同じじゃない?というか、僕からしてみればAのほうがよっぽど自由だよ」
私はツケてないけど!!
おでこをぐりぐり指で押してやった。
「ウェンティより自由ってそんなわけないでしょーが…」
193人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し3680号(プロフ) - まくらもとさん» 読ませていただきました!最高でした。素晴らしいお話ありがとうございます! (2023年3月6日 22時) (レス) @page34 id: be46167942 (このIDを非表示/違反報告)
まくらもと(プロフ) - 名無し3680号さん» 遅くなってしまってすみません。書き上げましたのでレス失礼します。書いてて「これでいいのか?」と悩んだんですが、まくらもとらしさを重視してそのまま投稿しました。ちょっと長いんですがよろしくお願いします〜 (2023年3月6日 21時) (レス) id: b517cf66d5 (このIDを非表示/違反報告)
まくらもと(プロフ) - 名無し3680号さん» リクエストありがとうございます!!3.5の風花祭での登場もあると思いますし、ブリュー祭を振り返って想像を膨らませながら書いてみますのでお待ち下さいな。いつもありがとうございます! (2023年2月27日 16時) (レス) id: b517cf66d5 (このIDを非表示/違反報告)
名無し3680号(プロフ) - リクエスト宜しいでしょうか?ミカ君で夢主と事故キスする話しなど書けますでしょうか?いつも楽しく読ませていただいております! (2023年2月26日 22時) (レス) id: be46167942 (このIDを非表示/違反報告)
まくらもと(プロフ) - ルーナさん» 好きじゃなかったら絶対「いつか旅に出られるといいね」としか言わなかったと思います。衝動で動いちゃう空ほんと… (2022年9月27日 22時) (レス) id: cfa18e3d30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まくらもと | 作成日時:2022年9月27日 1時