私、気が付いたら極道でした （ヒューマンバグ大学）

Episode２　社会科見学 ページ8

中学校生活にもなれてきたAはその日、学校行事で社会科見学のため空龍街へ訪れていた。
その内容は事前に学校側でアポをとってある場所へ公共交通機関を利用して自分達だけで訪問するというもの。
場所は各班の班長が代表でくじをひき、そのくじで決まるというものだった。
男子３名、女子２名という班員構成だったが、ヤンチャな男子生徒３人は勝手な行動をはじめ、Aと同じ班の鈴木優美と二人きりになってしまった。

鈴木「どうしよっかA、男子行方不明だよ…」

「困りましたねぇ…(緊急用)PHSで先生に連絡してみます？」

鈴木「PHSあいつら持ってっちゃったよ」

「え」

鈴木「チクられたら困るからーとかでしょどうせ」

「はぁ…工場の見学先の住所はメモしてありますし、そこで工場の人に学校に連絡してもらいますかね？」

鈴木「そうだね」

平然と会話をするAだが、実はこのとき殺意でこそ無いものの、見張るような視線をビリビリと感じていた。

(なんか見られてる気が…。大丈夫…だよね？)

？？「華太ぉ、今日の俺の星占いは１位だからササッとあいつ攫えば天羽組の戦力アップに繋がる気がする」

小峠「駄目ですよ、須永の兄貴。A家の娘…既に京極組の手が回ってるかもしれません。」

須永「まだ餓鬼だし正式に入ってねぇだろ？攫って強引に入れちまえばいいんじゃねぇの？」

小峠「それは駄目です、あくまで勧誘ですから。下手したら京極組と戦争に発展するだけですよ。」

須永「はぁ…。しっかし何でA家の餓鬼ってだけでそんなに欲しがるんだ？ふっつーのガキンチョじゃねぇか」

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