Episode８ 青天の霹靂 ページ28
月日は流れ、台風が近いらしく暗くなり始めつつある空の色と、生温い風が黒焉街を駆け抜け、不快感を誘う。
Aの平凡な高校生活ももうあと半年をきり、近いうちに終わりを告げようとしていた。
(お腹すいたなぁ…)
その日、Aはお弁当を作るために毎朝早起きしているにも関わらず、その日は珍しく寝坊してしまい、弁当を持って行けず、売店に行くも買えたのは小ぶりな焼き鯖と小ぶりなおにぎりのみ…更に午後の授業で体育という最悪な１日なってしまい、たまらなくお腹が空いていた。
(そうだ…！)
学校の帰り道、いつもの通学路にある和菓子店、大和屋へ立ち寄る。
大和屋はAが幼い頃に父親が好きだと言っていた味噌まんじゅうを買いに父親と二人でよく通った思い出深いお店だった。父親が亡くなってからは思い出すのも辛くて長年寄り付かなくなっていたが、懐かしくなり久々に入ってみることにした。
今では時代の流れからかケーキなどの洋菓子も扱っているが、Aはここの味噌まんじゅうを買おうと店に入ったのだった。
女性「いらっしゃいま…あら、Aちゃんじゃない！大きくなったねぇ」
「あっ…恵美さん！こんにちは！」
恵美「久しぶりね〜…お父さん亡くなってから随分見なかったから心配してたのよ〜」
「すみません…なかなかお父…いえ、先代のこと思い出して辛くて寄れなかったんです」
恵美「まぁ…Aちゃんお父さん子だったものねぇ無理もないわ」
恵美は目を細めどこか寂しげに笑って、ご注文は？と質問した。
「すいません…味噌まんじゅう１つと胡桃ゆべし１つください」
恵美「はいよ！よし！めぐみんからサービスだ！味噌まんじゅうプラス一個サービスと、胡桃ゆべしも１個プラスでサービスしちゃう！」
「ええっ！？悪いですよ！払います！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひなえ(プロフ) - 黄昏さん» 読んでいただき、ありがとうございます！亀更新ですがこれからもよろしくお願いします。 (2022年7月6日 14時) (
レス) id: a16a1e4961 (このIDを非表示/違反報告)
黄昏 - 初めまして、「私、気が付いたら極道でした」を読ませて頂きました。とても、面白くて続編を楽しみにお待ちしております。 (2022年7月6日 3時) (レス) @page26 id: 7ec4680236 (このIDを非表示/違反報告)
みたぞの(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ！！続編作ってもフラグのチェックが入ってしまいます！！確認して外して下さいね！！ (2022年6月29日 22時) (レス) id: 5dcad8042f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひなえ | 作成日時：2022年6月29日 18時
