私にも守れたら (ページ9)

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8話ページ9

「」

どうしよう。三輪先輩どこにもいない。
結構探したけどいない。電話すればいいじゃんって話だけど、これだけいないって事は恐らく会議中って事なので諦める。
久しぶりに会いたかったのにな〜

暇だな〜。そういや暇つぶしにランク戦に来たのに忘れてたな〜

「よぉ、つるまじゃねぇか。何やってんだ？」

「あ、荒船さんだ」

どーしよっかなーと考えていると偶々通りかかった荒船さんにばったり出会う。

「いや、暇つぶしになるような事考えてましたです」

「なんだそりゃ。ランク戦でもしたらいいじゃねえか」

「いやー、中々いい相手がいなくて…。てか荒船さんこそ何してるの？」

「俺は、さっきまでC級狙撃手の現場監督してたんだよ」

結構おもしれーモン見れたぞ
と言う荒船さん。

「おもしれーもん？あ、あれでしょ壁ぶち抜いたやつですよね」

「おう、玉狛の新人だってよ。アイビスでドカンだったわ」

「えーマジすか。トリオン量やばいね。」

ん？玉狛？

「…今年は凄いですね。特に玉狛」

「らしいな」

楽しみですねと荒船さんに言う。
近いうちに玉狛行ってどんな子が一目見てみようかな。ついでに小南先輩達にも会いたいし。

「あ、そうだ。つるま、ちょっと付き合え」

「エッ、そ、そんな…急に…」

「誰も告ってねえわ。ランク戦に決まってんだろ」

「知ってますよ」

すると荒船さんから唐突に愛の告白……ではなくランク戦のお誘い。嫌だ。

「…何かムカつくわ。10にするつもりだったけど30な」

「ちょっ待てって。何でよ。荒船さん今狙撃手でしょ」

「オレはが目指してンのは狙撃じゃなくて、手完璧万能手だからな。定期的に攻撃手の練習もしてるんだよ」

「何ですかその“オレが目指すのは完膚なきまでの１位だ”的な発言」

「爆豪じゃねえか」

何故か愛の告白から一気に飛んで爆殺王の話になってしまった荒船さんと私。
早く退散してしまおうと思ったが気付いたら私の手首は荒船さんに支配されていた。

「あれ」

ズルズルと雑に引っ張られる私。遠回しに疑問を吹きかけるが反応はなく、いつの間にかランク戦のブース前に来ていた。

「んじゃ、30本、よろしくなつるま」

私の手首を掴み見下ろしたまま、荒船さんは不敵に笑った。

※変更しました。