私にも守れたら (ページ35)

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32話ページ35

帰路につくとは言ったものの、今はまだお昼。ちょうどおやつの時間くらい。

大してやることもないのでその辺をウロウロ。個人ランク戦でも行こうかな〜。いやでも最近絡まれるからな〜。やめとこうかな〜。

なんて考えながらやっぱり暇なので本日二度目のランク戦へ足を運んだ。

今B級ランク戦終わったばかりだからか、さっきより人が多く賑やかだった。

「(あっ駄目だ。これはヤバい。やっぱり今日の所は帰ろう)」

少し遠くに、まるで誰か適当な知り合い見つけてブースに引きずりこもうかなとでも考えてそうな米屋先輩がキョロキョロしていた。

これは駄目だ、ヨシ、今日の所は引き返そうと思い、振り返った瞬間

「鶴間」

そこには久しぶりだなと言わんばかりの顔でこちらを見ている三輪先輩がいた。

「……ｳﾞｯ、み、三輪、先輩…だ………おひさしぶりでず。お元気そうで何よりです！！」

「ああ、お前も相変わらずだな、鶴間」

……ここ最近、三輪先輩を見かけ、挨拶しに行こうとしたが、その度に色々なパイセン方が立ち塞がるように私に挨拶(邪魔)をしてくださったお陰で会うことは叶わなかったのだ。

そう、織姫と彦星のように…？？

「…織姫と…彦星…？？は？」

「七夕はまだだぞ」

「あっ、すす、すみません！」

い、今私、三輪先輩に会えたおかげで織姫と彦星って何だっけってなってた…。

てか先輩だぞって言うんですね。

「あ、そういや先輩、個人ランク戦ですか？珍しいですね」

「いや、陽介を迎えに来た」

3時からミーティングがあるが時間になっても来ないから、と言う三輪先輩。

隊長自ら来るんだ…。米屋先輩の事だし、どうせ携帯忘れたんだろうな。

「3時から…ってもう結構経ってますね…」

「はぁ」

「(ため息…)」

三輪先輩がため息…何気に初めてみたかも。

「よ、米屋先輩ならさっき暇そうにウロウロしてましたよ」

「…はぁ」

「(2回目…)」

「助かる鶴間」

「いえいえ、頑張ってください」

「ああ」

そう短く放って私が指さした方へ歩いていく三輪先輩。カッコイイな。

こっそり覗いてみると、青ざめた顔をした米屋先輩を三輪先輩が見下ろしていた(？)

すると早く行くぞと言わんばかりに米屋先輩を連れて去っていった…。

でも、久しぶりに三輪先輩と話せて良かったな。思いの外元気そうで安心したし。

ランク戦はまだ人がいっぱいだから、この嬉しい気持ちのまま、お家に帰ってゲームでもしようかな。