私にも守れたら (ページ33)

今日:14 hit、昨日:5 hit、合計:25,108 hit

30話ページ33

「負けた〜」

「オメーほんと何も変わんねえのな」

「うーん」

結果は20本やって12対8。駄々こねてたけどなんやかんや言ってガッツリやってきました。まあ頑張ったほうかな。

今は別に疲れてるわけじゃないけど、ブースの側の椅子で二人ぐったりしている。

「あ、いたいた」

「お疲れ様〜二人共。いい勝負だったね〜」

「つるちゃんせんぱーい！次おれとやろー！」

「ちょ、まって。休憩」

「トリオン体でなんで疲れンだよ」

二人でボーっとしていると、さっき私を見捨てた荒船さんやらゾエさんやら緑川がやってきた。

「…あれ、そういやさっきより減ってますね。どうしたんですか？」

「当真と鋼の事か？」

「当真くんならスナイパーの方行ったよ。元々、ばったり会って話してただけだしね」

「あ〜そっか」

「鋼はもうすぐランク戦だからお前らがブース入ってすぐ鈴鳴に戻ってった」

「ランク戦……」

そのときにあることを思い出す。

「あ！茜！！」

「？」

そうだった今日那須の出る試合があるんだ。茜が出るんだ。そのために来たの、忘れてた…。

そのことを思い出すと、勢いよく椅子から飛び上がり、

「すみません！次ランク戦見に行かなきゃなので失礼しますね！」

と、先輩方と緑川に告げて駆け足でランク戦会場に向かった。

「つるちゃん先輩、珍しく慌ててたね〜」

「今日、お友達が出るって言ってたからね」

少し息を切らしながら、ランク戦会場へとたどり着く。上から席の様子を見てみると、人はまだそんなに。でもちらほら集まっては来ている。
なんとか時間には間に合いそう。

ゆっくり歩きながらどこに座ろうか見ていると、前に迅さんと太刀川さんの姿があった。

「あ、迅さん、太刀川さんこんにちは」
　
「ん？お、つるまちゃんじゃん」

「おーつるま、久しぶりだな」

「いやいや、この前会ったじゃないですか。んで、今日の解説はお二人なんですね。実況は………！？」

「久しぶり、Aちゃん」

「か、歌歩ちゃん！ひさしぶり！会いたかった！」

「うん！私も！！」

なんと実況は風間隊の歌歩ちゃん。
年上だけど、気軽に呼んでと言ってくれたのでお言葉に甘えて名前で呼んでいる。

「二人、仲いいんだね」

「はい。私、風間隊の皆さんとは仲良くさせてもらってる自身があります」

迅さんの質問に対して私がそう言うと、歌歩ちゃんもうんうんと頷いてくれる。

「えー太刀川隊もだろー？」

「柚宇さん大好きです」