私にも守れたら (ページ22)

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19話ページ22

どうやら雨取ちゃんは私をどっちで呼べばいいのか、と言うことらしい。わたし的にはかくまって呼んでほしいところだけど、

「どっちでもいいよ。呼びやすいように呼んでくれたら」

女の子だし、別になんでもいいかな、と優しくそうかける。
すると、うーんと悩んでいた雨取ちゃんは顔を上げ、

「じゃあA先輩って呼びます」

大丈夫ですか？と聞く雨取ちゃん。
か、可愛い。そんなん勿論OKに決まってる。

「もももちろん！じゃあ私も千佳ちゃんって呼ぶ！よろしくね！」

慌ててそう言うと、千佳ちゃんはにっこり笑ってはい！と元気よく返事をしてくれた。

私、鶴間はボーダーで数少ない後輩ができて嬉しいのでした。

さて、三雲くんの無事も確認できたわけだし、そろそろ帰ろうと準備をする。

「じゃあ、私そろそろ帰りますね」

「ちょっとまて」

脱いでいた上着を着て、みんなに言う私に、陽太郎が呼び止める。

「どした？」

「つるま、このあとひまか？」

「え？うん、暇だけど」

急にこのあと暇かと尋ねる陽太郎に、肯定の返事を返す。

「なら、たまこまでごはんたべにこないか」

顔の横に星を出しながら、ドヤ顔でそう言った。

「うん、いいけど、レイジさんたちの許可は取ってるの？」

「いや？とってはないが、れいじたちはこころよくゆるしてくれるだろう」

私が訪ねたことに対して、えっへんと可愛らしく言う陽太郎。その自信はどこから。

「ま、いいや。じゃあ今から玉狛いくね。遊真と千佳ちゃんどうする？」

「そうだな、おれたちもそろそろ戻るか」

「うん、そうだね」

修も目覚めたわけだし、と付け足す遊真。

「OK。じゃあ三雲くん、また今度。お大事に」

「ああ、鶴間さんもわざわざありがとう」

「いえいえ、お母様もお身体に気をつけて。では失礼します」

「ありがとう。鶴間さんも」

三雲くんと三雲くんのお母様に挨拶をして、遊真と千佳ちゃんと陽太郎の四人で病室を出る。

「今日の玉狛のご飯は誰が作るの？」

「今日は確かとりまる先輩だったかな」

「お、まじ？烏丸先輩の料理久しぶりだな〜」

毎日夕食の担当が変わる玉狛。今日の夕食は烏丸先輩らしい。前玉狛に来たのはかなり前のことなので、先輩の料理は久しぶりで楽しみだ。