私にも守れたら (ページ15)

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13話ページ15

「鶴間…！来たのか」

「三輪先輩い"い"ぃ"」

まるで予知していたかのような発言をする三輪先輩の近くに行きたい衝動を堪えて、三輪先輩の名前を呼ぶ。

「会いだがっだでずー」

懲りずに今の心境を泣きながら伝えるが、落ち着けと静止されるので、大人しく言うことを聞く。

そしてちらりと三雲くんを見る三輪先輩。歯を食いしばって、いつもに増して機嫌が悪そうだ。

「み、三輪先輩…！千佳を……こいつを頼みます！キューブにされたうちの隊のC級です！」

そう言って三輪先輩に、キューブになってしまったのだろう自身の後輩を差し出す。

千佳を助けてくれと、近界民は僕が食い止める。と。

必死に懇願する三雲くんをじっと見下す三輪先輩。
しばらく黙っていたが、その途端三輪先輩が三雲くん腹を蹴り飛ばし、

「知るか。他人に縋るな」

と冷淡にそう言った。

この行動に三雲くんも、人型も驚いていたが、私はあまり動じることもなく、じっとその光景を見ていた。

蹴り飛ばされ、ごろんごろんと転がっていく三雲くん。
それを見た人型が、味方ではないのかと尋ねるも、黙っていろと言われる。

「どちらにしろ、お前は俺が殺す」

先程よりも険しくなった顔で人型へ鋭い言葉を放つ三輪先輩。

「鶴間は援護を頼む」

「了解です」

私に向けられた指示に何の戸惑いもなく了承し、人型へと目線を移す。

三輪先輩は人型への殺意をむき出しにし、拳銃を向け、鉛弾を撃つ。私は少し離れたところから鉛弾でない、アステロイドで援護射撃をする。

私はあくまでも援護だけ。基本的には三輪先輩がやる。
けど、最早援護もいらないのではと言うくらい三輪先輩が有利だった。

途中、本部の基地へ向かおうとする三雲くんが振り返り、三輪先輩と交戦中の人型にアステロイドを撃っていたが、すぐに方向を戻して走って行った。

三雲くんが行ったあとも、相手の足を狙いながら、拳銃を撃っていたが、命中は足に少しかすれる程度。
それでも少しずつトリオンを削り、三輪先輩のサポートをしていたとき、

『鶴間、お前は周りのトリオン兵を片付けて来い。こいつは俺が直に殺す』

三輪先輩からの無線通信が入った。
かなり相手を追い詰めてきたので、私にはトリオン兵を片付けろと言う。

三輪先輩と離れるのは残念だが、命令だし、御尤もなので「了解です」と一言告げて、その場を離れる。

先程繋いでいたオペレーターの蓮さんにトリオン兵の場所などを聞きながら、現場へと即座に向かった。