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不動の叫びに、少女はただ黙して楽し気に笑う。
それから彼女は、あろうことか、敵を前にして、交戦の意思は無いとでもいうように、ぺたりと床に座った。
「な…」
不動は思わず口からこぼれた間抜けな声を止めることができなかった。
何か策があるというのだろうか。
そう疑うほどに、目の前の少女は隙だらけだった。
自分から仕掛けてきておいて、これは一体何なのだ？
「…何のつもりだい？」
黒江が訝しげに尋ねる。
少し前の、戦闘の気配を持て余したままの彼女は、かすかに苛立っているようだった。
「…あ！ごめんね、言い忘れてた！」
うっかり、と少女は口に手をやり、付け加える。
「
ただ、ちょっとだけ。ちょっとだけだよ？待っててもらえれば、それでいいの！」
…彼女は何を言っている？
"そういうの"は必要ない…つまり、戦闘すらすることなく、彼女は自分たちを亡き者にすることができると、そう言っているのか？
＿＿面白くない。
思ってから、不動は、自分のその思考にわずかに驚いた。
どうやら、自分で思っていたより、俺は負けず嫌いらしい。
ふ、と笑う。肩の力が抜けた。
同時に、この部屋に入ってから、驚きの連続で崩されていたモノが戻ってくる。
自分のペースが、冷静な思考が、そして、探偵社員としての折れることのない矜持が。
「そりゃ随分な物言いだねェ。それじゃあ本当に要らないかどうか、試してみるかい？」
黒江が少女に向かって振りかぶる。
少女は面白そうに、ただ笑ってそれを静観している。
物理法則を無視して、その拳にエネルギーが収束する。その余波が空気の渦となり、拳を覆う。
流動する空気の鎧を纏った黒江の拳が少女の頭に向けて繰り出される瞬間、不動がその手首を掴んだ。
「黒江。悪いが敵の能力の解析を頼む。
こいつは、俺がやろう」
しゅう、と音をたてて、黒江が能力を解除した。心なしか、驚いた顔をしている。
「ありゃ、珍しいこともあるもんだ。
…この貸しは高いよ？」
口ではそう言っているが、黒江の声は笑っていた。
不動がようやく本調子に戻ってきたことを察知したのかもしれない。
それでも何をも言わない、その気遣いが嬉しかった。
「ああ。勿論だ」
そう言うと、不動は少女の方へ向き直る。もう動揺は無かった。
「待たせたな。貴様の相手はこの俺、探偵社の不動雷華だ。
座したまま倒れることを地獄で後悔するといい」
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神羅(プロフ) - 蛍火さん» すみません、もう締め切っておりまして……。それに、今は殆ど機能しておりませんので……。ボチボチ更新しなければと思うのですが、私も一応受験生でして……。すみません。 (2018年7月9日 23時) (
レス) id: 57d9444f68 (このIDを非表示/違反報告)
蛍火 - お話読ませていただきました。もしも席がまだ空いているのなら、社員として、入らせていただけると嬉しい所存でございます。この小説を読もうとしたきっかけは、ラハルちゃんの紹介です。お考えの方よろしくお願い申し上げます。 (2018年7月3日 14時) (レス) id: 62a90d8188 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 浅葱さん» 頑張ります！ ちょこちょこ更新しますね (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - すごい、面白いです！更新待ってます！！ (2018年3月3日 13時) (レス) id: 2921f40b7a (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» はい！ おかげさまで突入できました！ 不定期更新ですが、これからもよろしくお願いいたします(^-^ゞ (2017年5月5日 14時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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