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時折木々の間を吹き抜ける爽やかな風に合わせて木漏れ日の揺らぐ、手入れの行き届いた林道を10分ばかり歩けば、山中に相応しくない白色コンクリート造りの事務所のような建物が見えてきた。

「こちらが監視カメラの制御棟です」
不動はそれを見るなり、なにか胸の奥で違和感が蠢くのを感じた。
見える範囲に、使用できそうな窓が一つもない。
もともと据え付けられていたのだろう窓らしきものは外側から厳重に板が打ち付けられ、僅かに開いたその板の間から、窓ガラスを通して閉じられたシャッターが見て取れた。先日の雷雨の影響か、濡れている部分が見える。

光が入ってくるのを嫌うのならば内側からカーテンを閉めるだけで良いはずだ。
それ以前に、建築の段階で窓を造らせなければ良いだけの話である。
よくよく見ると、板もそれを固定する釘も相当に新しい。
最近になって突然この作業場の人間が日光アレルギーにでもなったというのだろうか。

先導する警察官に続いて、不動と黒江は屋内へ進む。
玄関を入ってすぐの廊下から扉を開けて部屋へ入れば、中は最低限の照明の点灯する薄暗い空間で、横に2つ並べて置かれた業務用の長机に行儀よく並べられたノートパソコンに向かって20人近くの作業員が作業をしていた。
扉正面の壁は液晶のモニタで埋め尽くされ、旅館内のものだろう監視カメラの映像が暗闇に映し出されている。

「ちょっと失礼します」
そう作業員たちにことわり、彼らの後ろを通る警察官と不動たち。
警察官は部屋の奥、正面モニタのすぐ手前にある一際大きな機械を弄り、モニタに映し出される映像を次々に変えていく。
「ええと、確か当時のデータは…」

と、モニタに瀬川らしき人物が映りこんだ。
「お、瀬川じゃないか。止めてくれ」
しかし、警察官は機械を触る手を止めない。

「ええと、確か当時のデータは…」
「おい、」
聞こえていないのかと不動は警察官の肩に手を伸ばした。
と、その手が届く前に聞こえた声に、不動は手を止める。

「確かとうじのデータは」
振り返ると、今まで黙々と作業をしていたはずの作業員の一人が、浅い闇の中ガラリと椅子を引いて立ち上がり、じっとこちらを見つめていた。
もしかすると、警察官よりも実際に作業をしている彼らの方が詳しいかもしれない。
少々不気味ではあったものの、不動はそう考え、声をかけた。
「知っているのか。データはどこだ?」

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神羅(プロフ) - 蛍火さん» すみません、もう締め切っておりまして……。それに、今は殆ど機能しておりませんので……。ボチボチ更新しなければと思うのですが、私も一応受験生でして……。すみません。 (2018年7月9日 23時) (レス) id: 57d9444f68 (このIDを非表示/違反報告)
蛍火 - お話読ませていただきました。もしも席がまだ空いているのなら、社員として、入らせていただけると嬉しい所存でございます。この小説を読もうとしたきっかけは、ラハルちゃんの紹介です。お考えの方よろしくお願い申し上げます。 (2018年7月3日 14時) (レス) id: 62a90d8188 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 浅葱さん» 頑張ります! ちょこちょこ更新しますね (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - すごい、面白いです!更新待ってます!! (2018年3月3日 13時) (レス) id: 2921f40b7a (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» はい! おかげさまで突入できました! 不定期更新ですが、これからもよろしくお願いいたします(^-^ゞ (2017年5月5日 14時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神羅 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2017年4月27日 0時

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