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「…ーい、不動？聞いてんのかい、不動」
「…？」
水中で急に抑えるもののなくなった気泡のように、ゆらりと意識が浮上する。浮上したということは、今まで沈んでいたということである。
沈んだ先で、なにか奇妙な夢を見ていた心地がしていた。それが何の夢だったのかは、うまく思い出せないのだけれど。
たしか、不動は馬になってレースをしたのだ。そこは砂に囲まれていて、不動以外の誰かがいて、それから…。
「不動！」
ぱちんと気泡が弾け、意識に五感が接続された。
足の下には地面の感触。
乾いた椅子のようなものに腰かけている感覚。
前方30�僂竜�離に、同僚の顔。その後ろには穏やかな木々ともはや腹立たしいくらいに青い空が見える。
同時に、不動は自らの置かれた状況を正しく思い出す。
不動は瀬川の冤罪を晴らすため、黒江と東雲とともに、警察関係者に監視カメラの映像を見せてもらえるよう交渉に来ていたのだった。
だが、どうにか見せてもらえることにはなったものの、都合をつけてくるので少し待っていてほしいと言われ、日頃の疲れが祟ってか、そこらの木の切株に座ってついうつらうつらとしてしまったらしい。
どのような理由が在れ、勤務中に惰眠を貪るとは、明らかな失態である。瀬川の疑いを晴らすことができるか否かは、自分たちにかかっているのだ。もっとしっかりしなければ。
「どうしたんだい、アンタ」
「い、いや、違う！別に眠っていた訳ではないのだ！俺はそう、あの…アレだ！ひ、被害者の気持ちになって事件を考えてみてだなっ！」
「殺されてどうすんだい。それを言うなら加害者の気持ちになって、だろ」
その通りである。今の言い訳は流石に無理があった。
「いや、あの、…すまなかった、本当は寝ていたんだ」
しょげかえる不動。
「それは別にいいんだけどさ…そんなに疲れてたのかい？」
こちらを覗き込んでいた黒江がくすりと笑う。
「いや別に、そういうわけでは」
と、先ほどの警察官が走ってきた。
「お待たせしてすみません。案内します」
人の良さそうな顔に申訳なさそうな笑顔を浮かべ、ぺこぺこと頭を下げる警察官。
そのままくるりと踵を返し、先導するように歩き始めた。
「おっ、やっとかい」
言いながら黒江が振り返った。
不動も立ち上がり、そして気が付く。
「東雲はどこだ？」
黒江が答え、警官の後を追う。
「用事ができたそうだよ。５分もすれば戻るとさ」
そうか、とだけ短く返して不動も続いた。
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神羅(プロフ) - 蛍火さん» すみません、もう締め切っておりまして……。それに、今は殆ど機能しておりませんので……。ボチボチ更新しなければと思うのですが、私も一応受験生でして……。すみません。 (2018年7月9日 23時) (
レス) id: 57d9444f68 (このIDを非表示/違反報告)
蛍火 - お話読ませていただきました。もしも席がまだ空いているのなら、社員として、入らせていただけると嬉しい所存でございます。この小説を読もうとしたきっかけは、ラハルちゃんの紹介です。お考えの方よろしくお願い申し上げます。 (2018年7月3日 14時) (レス) id: 62a90d8188 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 浅葱さん» 頑張ります！ ちょこちょこ更新しますね (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - すごい、面白いです！更新待ってます！！ (2018年3月3日 13時) (レス) id: 2921f40b7a (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» はい！ おかげさまで突入できました！ 不定期更新ですが、これからもよろしくお願いいたします(^-^ゞ (2017年5月5日 14時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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