エイプリルフール編その６ ページ32
「位置について、よーい…」
美影の声に合わせ、参加者たちは白線の端についた。
「ドン！」
妙なテンポの運動会の定番曲、「天国と地獄」に合わせて全員が走り出す。
「一番乗りなのですっ！」
東雲が叫んだかと思うと、その場から掻き消えた。
と思った次の瞬間、東雲の体はゴールテープを切っていた。
そのまま東雲は、穴へと飛びこみ、見えなくなった。
「えっ異能とかありなんですか！？」
と廣瀬。
美影の声が答えた。
「おおっと、一番乗り、これは速い！！スマートな異能の使用、高得点だね！
さて、一番は四！一番は四！
異能の使用は勿論アリ、使わないのも勿論アリだよ！！」
一番なのに４なのか？と不動が疑問に思う暇もなく、並走していたはずの廣瀬が勢いよく走り出した。
「それなら…！」
「何っ」
よく見れば、廣瀬の通った後の砂が黒く焦げている。
炎の異能を推進力にしているのだ、と気づいたが、同時に疑問もわいた。
＿あいつ、あんなに器用に異能を使えたのか？
実況美影が叫ぶ。
「おっと、これは上手い！！炎の異能でエネルギーを生み出す作戦かな！？これは二番は月で決まりかあー！？」
「お先です！」
物凄い速さで離れていく廣瀬の背中。
と、不動はそれと同じくらいの速さで自分を追い抜く影を見た。
「？！」
見ると、人面鹿が物凄いスピードで廣瀬の後方50ｍあたりを飛んでいた。
何かがおかしい。明らかにおかしい。
目を凝らすと、二人の間できらりと何かが反射するのが見えた。
「そこだっ！」
不動は異能で普段から持ち歩いている刀を具現化し、そこへ投げた。
直撃。
プツリと音がして、人面鹿が地面に落ちた。
廣瀬は構うことなく、更にスピードを上げてコースを独走していく。
もう少しでゴールに着きそうだ。
「糸を使うな！樂をしようとするな！」
追い越しながら不動が怒鳴る。
「いやあ、申し訳ない。ただ、正直これで走れる人を俺は人間と認めたくないですー」
開き直ったようなコメントが返ってきた。こいつはもう駄目だ。
不動は気にせず地道に走ることにした。
「うおおおおおっ！」
前を見ると、廣瀬がゴールテープを切ったところだった。
「速い、速いよ月！おおっ！今、ゴールテープを、切ったー！！二番は月！二番は月！」
美影の声が楽しそうに実況を続けている。
不動はやり場のない怒りを推進力に変え、ただひたすらに地面を蹴った。
元々体力には自信がある方だ。
ただ、人智を超越する異能には敵わなかったというだけである。
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神羅(プロフ) - 蛍火さん» すみません、もう締め切っておりまして……。それに、今は殆ど機能しておりませんので……。ボチボチ更新しなければと思うのですが、私も一応受験生でして……。すみません。 (2018年7月9日 23時) (
レス) id: 57d9444f68 (このIDを非表示/違反報告)
蛍火 - お話読ませていただきました。もしも席がまだ空いているのなら、社員として、入らせていただけると嬉しい所存でございます。この小説を読もうとしたきっかけは、ラハルちゃんの紹介です。お考えの方よろしくお願い申し上げます。 (2018年7月3日 14時) (レス) id: 62a90d8188 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 浅葱さん» 頑張ります！ ちょこちょこ更新しますね (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - すごい、面白いです！更新待ってます！！ (2018年3月3日 13時) (レス) id: 2921f40b7a (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» はい！ おかげさまで突入できました！ 不定期更新ですが、これからもよろしくお願いいたします(^-^ゞ (2017年5月5日 14時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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