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だが、その目を見たとき、睦月は本日二回目の小さな驚きを得ることとなった。そこに映っていたのは、漠然とした不安と恐怖と警戒の色。そして幾ばくかの小さな、しかし確かな揺らがぬ意思の炎。
確かに睦月はその目を何度となく見てきた。見てきたし、見慣れている。だから少しとはいえ感情を動かすことでもないはずなのだが。
その理由は目の前の少年がぎりぎりとはいえ、堅気と呼ばれる人種に分類されるという事実だ。睦月の見てきたその目の持ち主は須らく自分たちと同じ世界、裏側の住人だった。命を捨てて現代の戦場を走り、人知れずその生涯を閉じる
見る限り、独白はすぐには終わりそうにない。睦月は近くの岩に寄り掛かった。
「だって、」
落ち着け、自分。小奇麗な制服の士官たちを前に、瀬川は懸命に舌を滑らせる。
元来自分は地頭が天才的に優れているわけではないし、探偵社にスカウトされたのも偏に前世の記憶と異能のたまものなのだが、今回ばかりは自分の考えを推理と呼べる程度には自信があるのだ。だからこそ、自分の考えが当たっていると思うからこそ、膝や体の震えを抑えきることが難しいわけだが。
瀬川も、なにもただその一瞬の感情のみに流されてその違和の正体を探ろうと思ったわけではない。そこには筋のとおった理屈こそ介在しなかったが、すでに別の、もっと感覚的に信を置けるものによって裏うちされていた。
それは瀬川の人生そのものであり、今の今まで生きてきた記憶であり、彼という存在が彼であることを許容されるための受け皿であり、そこに積み重ねられた足跡であり、今世に瀬川を縛る枷でもありうる。果たして、人はそれを俗に経験と呼ぶ。
瀬川という男は、なぜだか、自らをよく知らない人には特にその自らの行動の真意を、もしくは行動そのものを捻じ曲げられて解釈されることが多い。何というか、要するに勘違いされやすい、というのだろうか。もしくはただ単に運が悪いのかもしれない。
例えば、道を歩いていると突然後ろから走ってきた女性にビンタされる。「この浮気男！」という昼ドラ臭漂う台詞とともに。瀬川は現在彼女などいないし、そも付き合うという経験自体したことはなかった気がするのだが。痛む頬に貼る湿布を買おうと店によると、万引き犯と間違われ痛くもない腹を探られる。２時間に及ぶ尋問の末、漸く疑惑がはれバスで帰ろうとすると、乗ったバスがジャックされる・・・とこんな具合だ。
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神羅(プロフ) - 蛍火さん» すみません、もう締め切っておりまして……。それに、今は殆ど機能しておりませんので……。ボチボチ更新しなければと思うのですが、私も一応受験生でして……。すみません。 (2018年7月9日 23時) (
レス) id: 57d9444f68 (このIDを非表示/違反報告)
蛍火 - お話読ませていただきました。もしも席がまだ空いているのなら、社員として、入らせていただけると嬉しい所存でございます。この小説を読もうとしたきっかけは、ラハルちゃんの紹介です。お考えの方よろしくお願い申し上げます。 (2018年7月3日 14時) (レス) id: 62a90d8188 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 浅葱さん» 頑張ります！ ちょこちょこ更新しますね (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - すごい、面白いです！更新待ってます！！ (2018年3月3日 13時) (レス) id: 2921f40b7a (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» はい！ おかげさまで突入できました！ 不定期更新ですが、これからもよろしくお願いいたします(^-^ゞ (2017年5月5日 14時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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