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そのころ、崖の上にて。
あれ。
警察服に身を包んだ三人の男性たちを前に、瀬川はふと違和感を感じた。
なにかが違う、そんな気がする。なにか足りない。在るべきはずのなにかが抜け落ちているような、そんな不安を呼び起こすような違和感。
そう思ったのは、ただの直感だ。言い換えれば当てずっぽう。行動の基盤とするにはあまりに脆い、刹那の囁き。その主が天使か悪魔かなんて、今の瀬川に判断するすべはないのだ。普通なら気の迷いと切り捨てるだろう。あまりに日常から遠いところに連れてこられて神経が過敏になっているのだと。
しかし、瀬川はそうはしなかった。
なぜだか、その違いを見つけなければならない気がした。
そうしなければ危ないと、瀬川の内なる本能が警告していると思った。
それもまた只の、瞬間的な脳の気紛れによる理屈理性の裏うちのないものだったが。
探せ。穴を見つけ出せ。
目の前の彼らの一挙一動を見逃すまいと神経を尖らせた。
上から降る警官の声。
「それを証明できるのは？」
「嘘だと思うならお客さん全員に聞いてみてください。何人かいますよ」
事務的で、実に淡白な言葉の応酬。そこには本当ならあるべきはずのなにかの存在など微塵も感じ取れない。
瀬川がのった車。
ごく普通の軽自動車のようだが、上についたパトランプがくるくると周期的に朱い光を放っている。
特段おかしいこともない、普通の覆面パトカーだ。
今、自分たちがいる崖の上。
大きな岩がいくつか転がっている以外は特段なにもない。そもそもここを訪れたのは初めてのため、なにかが違ってもわからないだろう。
声の調子から、もう時間があまりないことはわかっていた。自分が違和感のもとを探る機会も。
他には、他には。
「違う」なにかを求めて、視線を彷徨わせる。
あるはずだ、あるはずなのだ。ただ自分が見つけられていないだけだ。
「鈴木、そろそろやめだ」
だが、無慈悲にも響いたのは終を告ぐ声。
目の前が暗くなった気がした。思わずその声の発信源を見やる。
そこにあったのは、整った無地の制服とスーツパンツを着こんで左手首の腕時計を見る警官の姿。
・・・ああ、そうか。
瞬間、なにかが瀬川の脳内で繋がった。
違和感の正体も、自分の勘がああも激しく警鐘を鳴らした理由も。
だから瀬川は、慎重に言葉を選びながら口を動かす。
「終わったもなにも、俺を捕まえる理由はない筈ですよね…だって皆さんは、本当は警察なんかじゃないんだから」
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神羅(プロフ) - 蛍火さん» すみません、もう締め切っておりまして……。それに、今は殆ど機能しておりませんので……。ボチボチ更新しなければと思うのですが、私も一応受験生でして……。すみません。 (2018年7月9日 23時) (
レス) id: 57d9444f68 (このIDを非表示/違反報告)
蛍火 - お話読ませていただきました。もしも席がまだ空いているのなら、社員として、入らせていただけると嬉しい所存でございます。この小説を読もうとしたきっかけは、ラハルちゃんの紹介です。お考えの方よろしくお願い申し上げます。 (2018年7月3日 14時) (レス) id: 62a90d8188 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 浅葱さん» 頑張ります！ ちょこちょこ更新しますね (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - すごい、面白いです！更新待ってます！！ (2018年3月3日 13時) (レス) id: 2921f40b7a (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» はい！ おかげさまで突入できました！ 不定期更新ですが、これからもよろしくお願いいたします(^-^ゞ (2017年5月5日 14時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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