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 警察や自衛隊でも無ければ、大抵の人間は自分の命を守るので精一杯だろう。それなのに、まだ30にも満たず、体格も小柄な彼女は、強い意思を持って他人の命すらも簡単に背負ってしまう。
 最近身内が様々な事件に巻き込まれ、命を身近に感じたからこそ分かる。神津は、凄い。



「じゃあもう早速カメラ捜索始めるぞー。須貝駿貴、君は脚立を用意してくれ」

「はいよー」



 部屋に入り、彼女に言われるがまま物置部屋から脚立を引っ張り出す。大抵椅子で完結するため最近は全くというほど役目が回ってこなかった脚立は、以前見たときよりも埃まみれで、なんだか少し申し訳ない気持ちになった。

 その脚立を、彼女が指示する場所に設置する。まずはエアコンの下だった。確認するという彼女に言われ、ドライバー等の工具が入った箱も一応リビングに持ってくる。エアコンって、そんな所に本当にあるのか。



「―――はーい見つけたー。こっからの視線しか感じないから、恐らくこれだけだな。須貝駿貴、今からエアコン開けるから受けとれよ」

「え、マジであったの?」

「こんな時まで嘘を吐くように見えるかい?」



 慣れた手付きでエアコンのカバーを取り外し、俺に手渡してくる神津。そんな彼女の背中を呆然と眺めていると、やがて彼女がエアコンの中から引っ張り出したのは、黒い物体だった。見たことある。あれは、ゴープロだ。

 エアコンの中にカメラを設置した記憶なんか無いし、あれも俺の私物じゃない。俺のにはしっかり、マスキングテープを貼り付けたそこに須貝と書いてある筈だ。



「おっと、これはどうやら、向こうに相手がいるようだね」

「はぁ?!そんなん分かんの?!てかまずくねそれ?!?」

「視線を感じるから恐らくね。さてどうしようか。今向こうに人が居ようが居まいがどうせバレる。なにかメッセージでも残しておこう」

「いやそれは流石にやめとけって!」



 焦る俺とは対照的に、楽しそうに口許に笑みを湛えてカメラを見つめる彼女を若干引いた目で見つめる。探偵ともなるとこういう場面にはよく出会すのだろう。慣れというやつか。この状況に慣れるのもどうかと思うが。






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白菜(プロフ) - 河良紅好さん» ご報告ありがとうございます!助かりました!早急に修正させて頂きます! (2020年6月16日 22時) (レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
河良紅好(プロフ) - はじめまして、陰ながら白菜さんの作品を楽しく拝見させて頂いてます。大変失礼ですが、事件No.5の2ページ目の「マーキング」が「マーケティング」になっていました事をご報告させて頂きます。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: a18b40da37 (このIDを非表示/違反報告)
るーと - この作品を読むのが最近の密かな楽しみになっています。ご無理をなさらない程度に更新頑張ってください!これからも楽しみにしてます! (2020年6月12日 21時) (レス) id: 300feac1d8 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 遅ればせながら新作ありがとうございます…! Twitterで設定をお見かけして以来ずっと心待ちにしておりまして、余りのことに学校滅ばねえかなとまで考えておりました。早速背筋の凍るような展開にゾクゾクしております、更新頑張って下さい。 (2020年6月11日 20時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 占ツクを開くたびに更新されてないかなーって確認するくらい更新とても楽しみに待っています!更新頑張ってください! (2020年6月11日 16時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白菜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月9日 19時

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