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「……いや、別に、なんもないよ」
「嘘が下手だねぇ。流石正直者だ。私のようになってはいけないよ」
「なにそれ」
彼女の言うとおり、なにもないなんて、嘘だ。最近、家の中でも外でも視線を感じて、よく眠れていないのである。
家の外に関してはついこないだとかの話ではなく、もっと前から、今から二ヶ月ほど前からあったことなので最近は特段気に留めていなかったのだが、部屋の中でまでとなると、流石に気味が悪い。
一応隣の部屋と接している壁を確認したり、ベランダや部屋の隅とかに企画用のゴープロがないかとか確認したりもしたが、それらしい物も一切見つからず、ただただ視線だけが感じる生活。
警察に連絡した所で、証拠もなければ確証もない。門前払いされるのなんて目に見えているし、いつか無くなるだろうなんて無駄な自信だけはあったから、特になにもせずに今日まで過ごしてきた。
「それに、前よりも反応速度が遅い気がする。しかも、君は目の下にいつも以上にファンデーションを塗っているね。それは何故だい？」
鋭いところを突いてくる、と思った。反応速度が遅いのは言わずもがな、よく寝れていないからで、目の下にファンデーションを塗りたくっているのは、濃くなった隈を隠すためだ。近づかれなければ気づかれないだろうと思っていたが、彼女には全てお見通しらしい。
どうせ、この何故だという問いも、全て分かった上で俺の口から言わせようとしているのだろう。自分の仮説が正解か、答え合わせをするために。
大抵の場合その仮説はあっているのだから、自信持って言えば良いというのに。
「……分かってんでしょ、どうせ」
「なにかしらの理由があって、寝不足なんだろうなと私は思っている。大方周りに心配をかけたくなくて誤魔化しているんだろう」
「分かってんじゃん」
「答え合わせにくらい付き合ってくれたって良いじゃないか」
で、その原因はなんだい？と言って、彼女はケーキを一切れ口に運ぶ。どうやら彼女は好きなものを後に取っておく派らしい。スポンジ製の土台が無くなってもなお、真っ赤な苺は皿の上に鎮座していた。
ぐちゅっと音を立てて、苺にフォークが突き立てられる。皿に赤い跡を残し、彼女の口に運ばれていく苺を眺めていると、彼女は「食いにくいな」なんて笑って苺を俺の方に向けた。
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白菜(プロフ) - 河良紅好さん» ご報告ありがとうございます！助かりました！早急に修正させて頂きます！ (2020年6月16日 22時) (
レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
河良紅好(プロフ) - はじめまして、陰ながら白菜さんの作品を楽しく拝見させて頂いてます。大変失礼ですが、事件No.5の2ページ目の｢マーキング｣が｢マーケティング｣になっていました事をご報告させて頂きます。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: a18b40da37 (このIDを非表示/違反報告)
るーと - この作品を読むのが最近の密かな楽しみになっています。ご無理をなさらない程度に更新頑張ってください！これからも楽しみにしてます！ (2020年6月12日 21時) (レス) id: 300feac1d8 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 遅ればせながら新作ありがとうございます…！ Twitterで設定をお見かけして以来ずっと心待ちにしておりまして、余りのことに学校滅ばねえかなとまで考えておりました。早速背筋の凍るような展開にゾクゾクしております、更新頑張って下さい。 (2020年6月11日 20時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 占ツクを開くたびに更新されてないかなーって確認するくらい更新とても楽しみに待っています！更新頑張ってください！ (2020年6月11日 16時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
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